友だち以上恋人未満な2人が新鮮!? 『天気がよければ会いにゆきます』
韓国のベストセラー小説が原作。ソウルの音楽塾で講師をしていたモク・へウォン(パク・ミニョン)は、理不尽な理由で仕事をクビになり、高校時代を過ごした田舎町で一冬を過ごそうと決める。そんな折、古民家で書店を営む同級生イム・ウンソプ(ソ・ガンジュン)に誘われて高校の同窓会に参加したヘウォン。ウンソプは、親友イ・ジャンウ(イ・ジェウク)の誘導尋問により高校時代に片想いしていた相手はヘウォンだと正直に答えてしまう。やがて書店でアルバイトをすることになったヘウォンは、ウンソプの優しさに惹かれていくが…。
・パク・ソジュンが超ナルシストの副社長役! パク・ミニョン演じる秘書との恋の行方は?
ヘウォンの実家は、一人暮らしの叔母が営むペンション。とっくに廃業し、手入れを怠っていたために水道管が爆発し、しばらく住めなくなってしまった。ソウルに戻ろうとするヘウォンに、ウンソプが書店に住むことを提案。その他にも、「自由に使っていい」と車の鍵を渡すなど、とことん優しすぎるウンソプにヘウォンは徐々に惹かれるようになる。ウンソプのヘウォンへの想いは変わらないように見えるが、あえて恋愛モードにならないようにしているところも感じられ、そんな2人が逆に新鮮で心地いい。
母の事件のせいで高校時代に壮絶なイジメを受けたヘウォンだったが…。
高校時代の回想シーンにより、少しずつヘウォンの過去が明るみになっていく。母親の事件のせいで高校時代に壮絶なイジメにあっていたヘウォン。意外と気の強いヘウォンがやり返すシーンがあり、見ている方もスカッとするものの、逆に相手の親まで出てきて大問題になってしまうのが悲しい。そんな風に高校時代から理不尽なことばかりが起こるヘウォンに共感せざるをえなくなる。
パク・ミニョン、ソ・ガンジュンの静かな演技がいい!
傷心を回復させていくヒロインを演じたパク・ミニョンは、1986年生まれの女優。『キム秘書はいったい、なぜ!?』などラブコメの女王として有名だが、本作では微妙な心情を静かに表現し、新境地を開拓した。一方、朴訥で読書好きな山男を演じたソ・ガンジュンは、1993年生まれの俳優。日韓のファンより坂口健太郎に似ていると話題の彼は2021年11月より兵役中だ。
夜な夜な山に入るウンソプの野性味も魅力の一つ!?
書店を営むだけあり、かなりの読書好きで超インドア派に見えるウンソプだが、実は生粋の山男。夜な夜な1人で山に入っては、シレっとした顔で戻ってくるのが面白い。そんなウンソプは村でも唯一、1人で山に入ることを許されている男性で、遭難者がいれば捜索隊とは別行動で救出するという逞しさも兼ね備えている。山の怖さと共に、そんなウンソプに男らしさを感じたヘウォンが急速に惹かれていく様子が見ていて心地よい。
展開の早い韓流ドラマが多い中、雄大な景色とゆったりとした時間の流れにこちらまで癒されるようだった。(文:渡邉啓子/ライター)
『天気がよければ会いにゆきます』
BS朝日:月曜日~金曜日 午前8:30~10:00 放送中(全16話)
※記事掲載時の情報です
DVD Vol.1~16(日本編集版全32話/各巻2話収録/全16巻/日本語字幕) レンタル中
発売元:ポニーキャニオン
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