【今日は何の日】きのこは菌類の生殖器!? 「マイコファジストの日」に見たい映画はコレ
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5月15日は「マイコファジストの日」だそうである。「マイコファジスト」とは、「きのこなどの菌類を好んで食べる菌食主義者」を指す言葉である。「マイ(May=5月)(1)(5)コ」と読ませる語呂合わせで、日本きのこマイスター協会が「もっときのこをたくさん食べて健康になりましょう!」といった意図で制定した日とのこと。そんな風に言われたら、この映画を見てもっと「きのこ」のことを知るしかないでしょう!
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きのこ大好き菌類学者が出演する『素晴らしき、きのこの世界』
未だかつて、「きのこ」にここまでフォーカスした映画があっただろうか。きのこの魅力に取りつかれ、きのこが好きすぎて好きすぎて結果的に菌類学者となったポール・スタメッツが、見る者を素晴らしいきのこの世界に誘ってくれるドキュメンタリー作品だ。監督は、映像作家のルイ・シュワルツバーグ。ナレーションを務めるのは、こちらもきのこ好きのアカデミー賞女優、ブリー・ラーソン。
この映画の主役はきのこであるが、広義の意味で菌類全体にスポットが当たっている。発酵食品は菌類ありきで成立していることなど、日頃ないがしろにされがちな菌類の存在や功績をアピールすることから映画が始まる。そして、私たちの周りにはいたるところに菌類がいて、森を歩けば足元には「菌糸体」が張り巡らされているんですよ、と続く。きのこの体は菌糸でできていて、きのこの下には菌糸の集合体である「菌糸体」が広がり、落ち葉や土中から栄養や水を得ているのだそうだ。
美しい! 凄い! きのこリスペクト!
「じゃあ、ぶっちゃけきのこって何?」というと、植物の果実や花に相当する部分らしい。作中では、「きのこは菌類の生殖器」といった表現もされている。難しい理屈は抜きにして、様々なきのこが成長する過程を早送りで次々と映し出していく映像がともかく美しい。それを見ていると、ジメジメした場所に生えていてあまり良いイメージのないきのこがどんどん魅力的に見えてくる。菌類の持つ分解作用、きのこの幻覚作用など、話題の焦点は次第に“彼ら”の大いなるポテンシャルへと移っていく。きのこの幻覚作用は、うつ病やPTSDに効果が期待できるとして研究が進められているそうだ。
見進めていくうちに、どんどん「きのこ凄い!」「きのこ素敵!」という気持ちになっていくのもきのこの幻覚作用の一種か? と思いたくなるくらい、きのこが偉大に思えてくる作品である。それほど私たちは、きのこのことを何も知らない。
菌類が活躍する「発酵」ブームは今後もさらに加速?
ところで、今さらかもしれないが、菌類が活躍する「発酵食品」への関心は年々高まっているように見える。乳酸菌や酵母の「発酵音」をインスタレーションで表現する展覧会が開かれたり、発酵デザイナーの肩書を持つ小倉ヒラク氏が下北沢に発酵食品をフィーチャーした「発酵デパートメント」をオープンしたり、テレビ愛知・神奈川で「発酵男子」なる番組がスタートしたりと、世の中の発酵ブームは依然加速中。果たしてどこまで熟成が進むのか、全く見当がつかない。(T)
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