貯金ゼロから年収49億円の億万長者に成り上がった末、センセーショナルな破滅を辿った伝説的株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの人生を描いた『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。この話題作のプロモーションでキャストのレオナルド・ディカプリオとジョナ・ヒル、マーティン・スコセッシ監督が来日、1月29日に東京証券取引所で記者会見を行った。
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東京証券取引所では、以前『キャピタリズム』でマイケル・ムーア監督が会見を行ったことがあるが、ハリウッドスターではディカプリオが初めて。ディカプリオは「この映画は、『こういうことをしてはいけない』という警鐘を鳴らすための映画。倫理観を持つことが大事だということを描いている」と作品について語った。
ディカプリオがアカデミー賞主演男優賞に、ヒルが助演男優賞にノミネートされたほか、監督賞、脚色賞、作品賞の主要5部門でノミネートされ受賞の期待も高い本作。プロデューサーも兼務したディカプリオはアカデミー賞にノミネートされたことを喜ぶ一方、「7年もの時間をかけてやっと作れた作品。ハリウッドではなかなか作ることのできないタイプの作品で、非常にリスキーだった。この作品を作れたこと自体がとても嬉しい」と、完成までの長い道のりに思いを馳せた。
彼はまた、「1人の男が富と権力を追い求め、破滅していく姿には現代という時代が反映されている。主人公は金融業界の腐敗を体現していて、そこに惹かれた」と作品への思いを吐露。そして、そんなディカプリオから熱いラブコールを受けたのがスコセッシ監督。引き受けるまで時間がかかったそうだが、これについてスコセッシ監督は「(最終的な理由は)レオの熱意。自分が監督できるかどうか考える上で、レオのやる気が大きかった」とディカプリオの情熱を称えた。
金と色にまみれた主人公のビジネスパートナーとなるドニーを演じたヒルも「彼は素晴らしい俳優で、共演者を高めてくれる」とディカプリオを絶賛。だが会見では、撮影中に彼の体調を崩すようなことをしてしまったとも明かした。破滅へと陥っていく過程で2人で寿司を食べるシーンがあるのだが、本来はディカプリオが言うはずのセリフをヒルが言ってしまった結果、ディカプリオがハマチを食べるはめになり、具合が悪くなってしまったという。ヒルがそのエピソードを語ると、ディカプリオは「最終的に僕はハマチを50貫も食べたよ」と苦笑いしていた。
会見では、もしも俳優になっていなかったら株式ブローカーになっていたかという質問も飛び出し、「なっていなかったと思う。僕は今、株式市場というものに困惑している」とディカプリオ。「中学時代から俳優になろうと思っていたけれど、それで生活できるとは思っていなかったので、(俳優を趣味に)旅行代理店をするか海洋生物学者になりたいと思っていた」とも教えてくれた。
さらに、ジョーダンのように派手にお金を使うとしたら何に使いたいかという質問には、「センチメンタルと言われそうだけど」と照れ笑いしてから、「熱帯雨林や珊瑚礁を買い取って守りたい。家や飛行機に興味はない。嘘だと言われそうだけど本当だよ」と話し、環境保護活動家としての横顔をのぞかせた。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は1月31日より全国公開される。
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