アニメ映画『ジョバンニの島』の完成披露試写会が2月10日に新宿ピカデリーで行われ、声優をつとめた市村正親、ユースケ・サンタマリア、柳原可奈子、横山幸汰(子役)、谷合純矢(子役)、北島三郎、杉田成道(原作・脚本)、西久保瑞穂監督が登壇した。
本作は“忘れてはいけないこと”をテーマに、第2次世界大戦後の北方四島の色丹島を舞台にした実話をもとにした感動作。1945年の色丹島、10歳の瀬能純平と7歳の瀬能寛太は父親の瀬能辰夫(市村)と祖父の瀬能源三(北島)とともにこの島で暮らしていたが、終戦をきっかけにソ連軍が進駐し、島民たちの平和と自由は奪われてしまう。やがて訪れる家族との別れ、ロシア人少女との淡い初恋など、幼い兄弟の生き抜く姿が描かれていく。
自身も2児の父親であり、瀬能辰夫役を演じた市村は「長男が非常にこの映画にはまりまして。僕も通しで見たときには本当に感動して。さっき、寛太くんがハンカチが必要だって言ってましたが、翌日仕事がない日に見ないと、目が腫れちゃって仕事にならないなと思いながら見ました」とコメント。
辰夫の弟で、淳平と寛太にとっては叔父にあたる英夫役を演じたユースケは「英夫は明るくておちゃらけていて、僕をモデルに書いたんじゃないかと思うくらい、自分のパブリックイメージと重なっていた。ムードメーカーで楽しい男なんだけど、その裏には次の時代のことを考える頭の良さと強さ、優しさみたいなものがしっかりとある人間味あふれる男を演じなければいけないと思って、杉田さんとディスカッションした。お互い素っ裸になってね」と語ると、「(素っ裸について)実際にではないですよ」と誤解を招かれないように付け足していた。
北島は「歌を歌って53年。映画もテレビドラマもやりましたが、アニメの声優としてのお仕事は77歳で初めてです」と話し、場内からは温かい拍手が。ジイ様になっていたか不安だったことを明かすと、「(完成作を)見たら、結構いいジイ様でした。この後、どうぞお楽しみに。ゆっくりご覧になってください」と手応えを感じた様子。
淳平の家に住み込みで働いている奉公人の娘・みっちゃん役の柳原は「素敵なキャストのみんなと一緒に素敵な作品に参加できてうれしいです」と喜びを表現し、「みっちゃんの役はお話のなかに一輪咲くお花のように」と切り出すと、その言葉に他の登壇者は思わず大笑い。司会からも「仲間由紀恵ちゃんもいるんだよ」と突っ込まれると柳原は「すみません、仲間さんは大輪ですから」とフォローしつつ、「お花のようにすごく健気で前向きな女の子のイメージだったので、声のトーンを落とさないで演じようという気持ちがすごくありました」と役作りについて語った。
『ジョバンニの島』は2月22日より全国公開となる。
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