今日、5月31日は世界禁煙デー。世界保健機関(WHO)が1989年に制定した国際デーの一つであり、たばこを吸わないことが一般的な社会習慣となることを目指す記念日だ。
ディズニーは2015年、傘下のマーベル・スタジオ、ルーカスフィルム、ピクサー・アニメーション・スタジオを含む全ての作品内での喫煙シーンを廃止した。また、2016年にはWHOがタバコを吸うシーンがある映画を「R指定」に指定するよう勧告したというニュースも。
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このように、映像作品にも「禁煙化」の流れが広がりつつある現在。今回は喫煙について、そしてタバコ業界に描いた映画を紹介しよう。
禁煙化の流れに抗うPRマンの奮闘を描く『サンキュー・スモーキング』
舞台はアメリカ。世の中は禁煙化の流れが進み、嫌煙派の議員によって「タバコのパッケージにドクロマークをつける」法案が成立されようとしていた…。
しかし、禁煙の風潮も世の中の批判も何のその。マスコミの矢面に立ち、巧みなディベート術で意見をひっくり返していく男が、タバコ業界のPRマンである主人公・ニックだ。タバコの害について話す番組に出演し、ブーイングで出迎えられても、最後は観客に拍手をさせてしまうほどのその話術には、言い方によってこうまで印象が変わるのか…と感心してしまうほど。
ただし、この作品が描きたいのは決して「喫煙の是非」ではないことが、本作を見ればよく分かる。それよりも、世間の情報に踊らされ、物事を一面的に捉えてないか…そんな“気付き”にハッとさせられる映画だ。
主人公・ニックは『ダークナイト』(08年)にも出演のアーロン・エッカートが見事な人たらしぶりで演じ、本作でゴールデングローブ賞・主演男優賞にもノミネートされている。ニックの上司のBRを演じたのは、『セッション』(15年)のパワハラ音楽教師役が印象深いJ・K・シモンズ。怒っている役が本当に良く似合う。
このほか、トム・クルーズの元妻であるケイティ・ホームズや『ゴッドファーザー』(72年)主演のロバート・デュヴァルなど何気に(?)豪華な出演者。どの俳優たちもいい味が出ている。
タバコ映画というよりは、ディベート映画と呼ぶ方が相応しい本作。本作を見た人同士で「映画の中の喫煙シーンは規制すべきか?」をディベートしてみるのもおすすめだ。(Y)
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