【今日は何の日】マリリン・モンローの日に見たい3本、20世紀最大のセックス・シンボルの心の闇
#お熱いのがお好き#マリリン 7日間の恋#マリリン・モンロー#マリリン・モンローの日#今日は何の日#真相究明! マリリン・モンロー謎の死
6月1日は、20世紀のセックス・シンボルとして名を馳せた女優「マリリン・モンローの日」。世界中の男性を魅了しながらも、私生活の彼女は常に愛に飢えて孤独だったという皮肉。今回は、彼女の出演作だけでなくそんな等身大の彼女にスポットを当てた作品も紹介したい。
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「ププッピドゥー♪」が聴ける名作と、知りたくなかった裏話
まずは、あの有名な「ププッピドゥー」のフレーズで知られる「I wanna be loved by you」が挿入歌として使用されている『お熱いのがお好き』を紹介しよう。マリリンがドサ回りバンドのシンガーを演じるコメディーだ。トニー・カーチスとジャック・レモン演じる2人のバンドマンがひょんなことからギャングに付け狙われ、その追手から逃れるべく女装してマリリンのいる女性楽団に入るというストーリーである。一目で男性の女装とバレバレなのだが、誰もそれを意に介さないのはコメディー作品ならではのご愛敬。誰でも気軽に楽しめるドタバタ系の軽めのコメディーなのでおすすめだ。
この作品で共演したトニー・カーチスはかつてマリリンと不倫関係にあり、彼女が自分の子どもを流産したことを近年、自叙伝の中で告白している。本作が上質のコメディーであるだけにそのカミングアウトには興ざめで、「どうせなら墓場まで持っていって欲しかった」と思うのは筆者だけではないだろう。「マリリンとベッドにいる時は、いつも彼女が何を思っているのかわからなかった。彼女は女優だから、男が求める女性像を演じることができるんだ」とも告白している。
リアルな証言で綴られた『真相究明! マリリン・モンロー謎の死』
マリリンの突然の死に関しては、その不可解な状況から様々な憶測がなされてきた。今となっては真実を知り得ることは出来ないのだろうが、本作はこれまでに何度も蒸し返されたマリリンの死の真相に改めて迫るべく、複数の人物の証言で構成されたドキュメンタリーである。常に取り沙汰されるケネディ兄弟がらみの陰謀説や、マリリンの家政婦の「一体いつまで隠さなきゃならいの…」という証言も登場するなど、見ることでさらに様々な憶測を呼び起こす作品だ。
ちなみに、マリリンは3回結婚をしている。1回目は女優としてデビューする前の16歳の時。そして2回目はメジャーリーガーのジョー・ディマジオと、3回目は作家のアーサー・ミラーとである。亡くなった時はミラーとも離婚してシングルの状態であったが、彼女の葬儀を取り仕切ったのは意外にも2人目の夫ジョー・ディマジオであった。彼は頑としてハリウッド関係者の参列を拒み、世紀の大女優の葬儀は30人にも満たない参列者の中ひっそりと行われたのである。マリリンとの結婚生活はわずか8ヵ月。離婚はしたものの、ディマジオはずっとマリリンを愛し続けた(余談であるが、2人の新婚旅行先は日本だった)。
マリリンは精神的に非常に不安定で、最初は性的魅力に惹かれて嬉々として寄ってきた男たちも、彼女のそんな“危うさ”に気付くとみな潮が引くように去っていく。そんな現実が、さらに彼女の心の闇を深くした。次に紹介するのは、そんな彼女の脆さが窺える作品である。
第3助監督との刹那の恋を描いた『マリリン 7日間の恋』
本作は、イギリスの名優ローレンス・オリヴィエと共演した『王子と踊り子』の第3助監督を務めたコリン・クラークの回想録に基づく作品。生のマリリンに接した人物の記述が下敷きとなっているので、素のマリリンを垣間見られる作品と言える。
イギリスで行われた『王子と踊り子』の撮影に、マリリンは新婚の3番目の夫アーサー・ミラーと演技コーチのポーラ・ストラスバーグを従えて現地入りする。信頼できる存在2人を携えてのクランクインにもかかわらず、精神が不安定で常に不安に苛まれて自信がない。1~2時間の遅刻は当たり前でセリフ覚えも悪い。監督権主演であるローレンス・オリヴィエは日々苛立ちを募らせていく。現場スタッフ全員が敵に思えて孤立感を深めていく中、利害関係を度外視してやさしく接してくれる下っ端の助監督にだけは心を許して2人の距離が縮まっていく…というストーリーだ。
幼い時に母親が精神疾患を患って入院したことから、父親の居ないマリリンは、親戚や里親の元をたらい回しにされて愛に飢えた幼少期を過ごした。彼女はそんな母親の性質を自分も受け継いでいるのではないかと不安に苛まれ続け、睡眠薬や精神安定剤が手放せなくなっていった。この作品では、そんなマリリンの“危うさ”が描き出されている。
世界中の羨望の的でありながら、あまりにも脆弱すぎる自己肯定感ゆえ彼女は常に自分に自信を持てず心に寂しさを抱えていた。「マリリン・モンローの日」をきっかけに、華やかなピンナップガール的側面だけではなく、そんな彼女の繊細な面にも目を向けていただけたらうれしく思う。 (T)
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