ジョニー・デップ、元妻ハードとのドロ沼裁判に勝訴 20億円賠償金

メディアに向け「有罪が証明されるまでは無罪という立場に」と苦言

ジョニー・デップが元妻アンバー・ハードを相手取った裁判に勝訴、ハードは賠償金1500万ドル（約20億円）を支払うことになった。

今年4月、2018年にハードがワシントン・ポスト紙に寄稿した論説の内容によって、デップの名誉を毀損したとして、デップはヴァージニア州で訴えを起こした。

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ハードは、2016年にハードが離婚を申請した際、夫の家庭内暴力(DV)被害を公表した。2年後に発表した前述のエッセイで、名指しはしなかったもののデップについて書いてあるのは明らかだとして、5000万ドル（約65億円）の賠償を求めていた。

ハードは、2020年にデップの元弁護士がイギリスのデイリー・メール紙に「すべてはデマだ」と語ったコメントについてデップを逆提訴したが、デップは全ての疑惑について否定、一方ハードはデップに対して暴力を振るったのは正当防衛のためだけだったと主張していた。

2人とも法廷の証言台に立ち、連日のようにスキャンダラスな実情を赤裸々に語る様子はネットで中継され、注目を集めていた。

1日（現地時間）の判決でハードがデップに対して1500万ドルの賠償金を支払うことになり、一方デップも、メディアやSNSを通じてハードを「中傷するキャンペーンを行った」として、ハードが訴えた内容のうち1件で有罪となり、200万ドルの損害賠償を支払う。

判決を受けて、デップはSNSに声明を発表した。

「6年前、私の生活、私の子どもたちの生活、私の親しい人たちの生活、同様に長年にわたって私をサポートし、信じてくれた人々の生活は永遠に変わりました。
ほんの一瞬にして。
私に対する虚偽の、非常に深刻な犯罪容疑がメディアを介してかけられ、私に対するヘイトに満ちたコンテンツが絶え間なく流されるきっかけになりました。私は一度も罪に問われたことはなかったにもかかわらずです。ナノ秒のうちに世界を2周し、私の生活とキャリアに激震をもたらしました。
そして6年後、陪審員が私の生活を取り戻してくれました。本当に謙虚な気持ちでいっぱいです。
この件を追及するという決断は、直面する法的ハードルの高さと私の生活が世界的に注目されることが避けられないことを十分承知し、熟慮の上でのことです。
最初から、結果がどうであれ、この裁判を起こす目的は真実を明らかにすることでした。真実を語るのは私の子どもたちや私を支え続けてくれてきた人たち全員に対する義務でした。ついにそれを達成できたと知り、とても穏やかな気持ちです。
私は今も、今までも、世界中から寄せられる溢れんばかりの愛と支援と親切に圧倒されています。真実を伝えるべきだとした行動が、男性であれ女性であれ、私と同じ境遇にいる人々の助けになり、彼らを支える人々が決してあきらめないようになることを願っています。そして、法廷でもメディアでも、有罪が証明されるまでは無罪であるという立場に戻って欲しいと願っています。
裁判官、陪審員、裁判所の職員や保安官といった方々がここに至るまでに時間を割いて崇高な仕事をしてくださったことに感謝したいと思います。勤勉で揺るぎない私の弁護団にも感謝したいと思います。
最高の時はこれからであり、新しい章がようやく始まります。
Veritas numquam perit.
真実は決して滅びません」

と、セネカの「トロイアの女たち」の一節を引用した声明を締め括った。

一方、ハードも声明を発表した。

「私が今日感じた失望は言葉になりません。山のような証拠があっても、元夫の権力、影響力に立ち向かうには十分ではありませんでした。
この判決が他の女性たちにどのような意味をもたらすかについて、さらに失望しています。これは後退です。女性が声を上げると、公に辱められるという時代への逆戻りになってしまいます。女性に対する暴力をもっと深刻に考えるべきだという概念を後退させてしまいます。

ジョニーの弁護団は、陪審員に言論の自由という重要な問題を見落とさせること、私たちがイギリスで勝訴した決定的な証拠を無視させることに成功しました。
この裁判で負けて悲しいです。しかし、私がアメリカ人として持っていた、自由に発言する権利を失ったように思え、そちらの方が悲しいです」

・判決を受けてのデップとハードのInstagramを見る

SNS上では判決を知ったデップのファンたちが、「真実が明らかになった」「アンバー・ハードはジョニーのキャリアを壊そうとしたが、逆に回復させた」と喜びをツイートしている。