虐殺の加害者が自ら殺人シーンを演じた異色ドキュメンタリーが新記録樹立の大ヒット
大量虐殺の加害者が自らの虐殺シーンを演じるという前代未聞の手法を用いたドキュメンタリー『アクト・オブ・キリング』。4月12日より公開された本作が、上映館の興行新記録を樹立するという異例の大ヒットとなっている。
・『アクト・オブ・キリング』ジョシュア・オッペンハイマー監督インタビュー
公開初日、メイン上映館の東京・渋谷区のシアター・イメージフォーラムでは、開場前から長蛇の列が劇場周辺を取り囲み、開演30分以上前に満員御礼の札止めに。その後も来場者は途切れることなく、各回とも上映1時間以上前には完売となる盛況ぶり。翌日も勢いは衰えず、土日2日間、全10回の上映はすべて満席で、シアター・イメージフォーラムの動員記録を塗り替える大ヒットとなった。
本作は、1960年代にインドネシアで密かに行われていた100万人規模の大虐殺をテーマにした作品で、被害者ではなく加害者をメインに取材しているのが大きな特徴だ。虐殺を行ったにも関わらず「国民的英雄」として人生を謳歌している加害者たちは、自らの虐殺について嬉々として語り、自らそのシーンを演じるが、演じるという行為が彼らに変化をもたらしていく様子がスリリングに映し出されていく。
今後、全国各地で順次公開されていくという本作。東京でのヒットの余波がどのように波及していくかに期待が高まる。
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