最古の政党・日本共産党の99年目の姿を外側から映し日本の課題に迫る
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6・18公開のドキュメンタリー『百年と希望』に絶賛コメント
最古の政党である日本共産党の99年目の姿を外側から映したドキュメンタリー映画『百年と希望』が、6月18日から、渋谷ユーロスペースほか全国で順次公開される。
ドキュメンタリー映画『わたしの自由について~SEALDs 2015~』(16年)など、2010年代から日本の社会運動を撮り続けてきた西原孝至監督が、1つの政党の活動を外側から見つめることで、「日本社会の課題と希望」に迫った。
世界的に、“ジェネレーション・レフト”(左派的な世代)と呼ばれる若い世代が生まれ始めている今、新しい社会の可能性と、その希望について、同作は世に問いかけている。
経済格差、ジェンダー平等、気候危機……数々の課題と向き合う中で、新しい社会の可能性とその希望を問いかけ、これから先の社会をつくる一人ひとりの声に耳を傾けた同作に、作家、大学教授、俳優、映画監督など、さまざまな方面から絶賛コメントが寄せられた。
哲学研究者・永井玲衣「小さく、かすかで、深い“希望”を映し出している」
哲学研究者の永井玲衣は「『百年と希望』は日本共産党についての映画であるが、日本共産党のための映画ではない。それゆえ、とてもつかみにくい作品でもある。西原監督からの恣意的なメッセージは明示されておらず、日本社会の中で連綿と続いてきた日本共産党の、ほんの数人の、ほんの一瞬を、たまたま撮ってしまったといった雰囲気を持っている。100年という歴史の重みは、ほとんど強調されることはない。それよりもむしろ、いまここに確かに存在するさまざまな問題が、人々の口から少しずつ語られる。ジェンダー平等、性暴力、ブラック校則、LGBTQ、選択的夫婦別姓、生理の貧困、自殺率の高さ、気候変動。これらは目を離すことができないものでありながら、長らく無視されてきた。なぜこの映画のタイトルには『希望』という言葉が入っているのか? 全体を通して、嬉々とした多幸感、ほとばしるような熱狂はほとんど描かれない。むしろ映像の端々から、もしくはそこに映し出されるひとから、政党としての日本共産党への鋭い批判のまなざしもある。変容しつづける社会に生きる市民たちの声に、党としてどのように応答するのか、それを問うような場面もある。小さく、かすかで、深い希望。『百年と希望』は、黙してそれを映している」とのコメントを残した。
ドキュメンタリー映画『百年と希望』が、6月18日から、全国で順次公開される。
同作は、17年公開作の『もうろうをいきる』に続き、全劇場バリアフリー字幕付き(一部の回を除く)、全上映UDCastに対応(音声ガイド、字幕)している。
その他の著名人コメント
■アルテイシア(作家)
党に対する批判も映しているのが推せる。「批判されたら訴訟や!」みたいなどこかの政党とは大違い(笑)。「共産党って、どうなの?」という人にこそ見てほしい、とっても面白くて泣ける映画。池内さおりさんの言葉に全アルテイシアが号泣しました。
■石川優実(俳優/アクティビスト)
この人の政策いいな、この人の発言はいつも安心して見ていられるな。そういう人を見つけると、その多くが共産党の人であることが非常に多い。個人的なことは政治的なこと。私と同年代の池内さおりさん、池川友一さんは、日常に溢れる様々な「これってよくよく考えたらおかしくない……? 」ということに、真正面から切り込んでくれる。昨年の衆院選、こんなに熱い闘いが繰り広げられていたなんて全く知らなかった! 全力で応援しなかったことを激しく後悔。参院選では、人任せにせずに自分事として参加しようと思う。この映画を見た人は、今後の自分の人生の行動についてきっと向き合わざるを得ないだろう。
■岡野八代(同志社大学教授)
今も日本に根強く残る反共思想を考えると、100年前、どれほどの困難と暴力に共産党員の方々が晒されたのか、想像を絶するものがある。常に、財産を持たない者たち、大きな政治の力に圧殺されそうな人たちのために、共産党員たちは身を削り、時に自らを犠牲にしてまでも、正義や平等、そして一人ひとりの自由のために闘ってきた。でもいま、正義、平等、自由のために闘う姿勢は同じであれ、共産党は確かに変わった。それが、この映画に登場する、「わたしたちの声」を聞き取ろう、共に市民の声を産み出そうとする、「共産」党の若者たちだ。わたしは、この小さな声、小さき者たちのために共に立ち上がろうと呼びかける彼女、彼らの姿に、現在日本社会の暗闇においてもなお、光を放ち続ける希望を見ずにはいられない。
■小川たまか(ライター)
印象的に挟み込まれる街の遠景が、私には輪から弾き出された側の人たちが見る風景に見えた。人は強くて派手なものに惹かれ、弱くて地味なものは嫌う。弱さに寄り添う人は弱いと見なされる。弱いまま支持を集めるなんて、どだい無理な闘いだけれど、その存在に勇気づけられる人を消すことまではできない。
■佐久間裕美子(文筆家)
かつての自分にも共産主義や日本共産党に偏見があった。刷り込みから脱却できたのは、私たちが生きる社会において、スタート地点は同じではないということに気がついたからだ。政治に守られなければ失われる生活や命がある。
■戸田ひかる(映画監督)
この国で、いかなる属性を超えて個人として声を上げることの難しさ、そして大切さが描かれた映画。イデオロギーではなく生活に根付いた声に希望を感じ、歴史に縛られた政治のあり方に葛藤を見る。
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