難民・避難民たちの物語や生の証言を伝えるためのプロジェクト

株式会社カイジュウ、株式会社Queens Company、株式会社グラムは、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)並びに国連UNHCR協会の協力のもと、詩の朗読フィルム『リスト:彼らが手にしていたもの(原題:What They Took With Them: a List)』を製作。6月20日の「世界難民の日」に合わせ、国連UNHCR協会公式YouTubeチャンネルでの日本初公開が決定した。

難民や避難民を国際的に保護・支援し、難民問題の解決に対して働きかけているUNHCRと、その日本の公式支援窓口である国連UNHCR協会の活動理念に賛同し、長年にわたり、ドネーション活動に積極的に取り組んできた株式会社グラムの思いに、本プロジェクトのパートナーとして、映画やドラマ、CMなど国内外の作品を中心としたキャスティング業務、映像コンテンツ制作も手掛ける株式会社カイジュウ、そして、アーティストや役者、 タレントなどの育成と音楽、映画、舞台、メディアなどの製作、キャスティング事業を行う株式会社Queens Companyが賛同した。

また、演出は、『生きているだけで、愛。』(18年)などの代表作があり、多岐にわたるジャンルの映像作品を手掛け、今、最も注目を集めているの関根光才監督が担当した。

難民をより身近に感じ、理解し、多くの支援に繋げていくためには……

今回のプロジェクトの目的は、日本国内における「難民」の認知度と理解度を高め、1人でも多くの方に「難民」というキーワードに触れてもらうこと。そして、何かしらのアクションを起こすきっかけを作ることができればという思いから2022年1月に製作を決定した。

奇しくも、翌月2月にウクライナ情勢が始まり、複雑な心境の中で、さらに製作への思いが膨らんだ。

22年5月現在、紛争、暴力、人権侵害、迫害により故郷を追われた人の数が史上初めて1億人を超えたことが、UNHCRより発表された。この数は、ウクライナ、その他の地域で起こっている紛争の影響によるものであり、その数は現在もなお増え続けている。

日本では、「カフェ難民」のように造語として現代の社会に存在する「難民」という言葉だが、今まさに世界で起きている「難民」の実情を受け止め、言葉の真の意味を広めるためのプロジェクトだ。

パートナー企業、スタッフ、キャスト、そして、UNHCR並びに国連UNHCR協会の思いが結集し、日本語版として新たに生まれ変わった同作が、日本中の人々の心に届くことを願っている。

詩の朗読フィルム『リスト:彼らが手にしていたもの』とは?

迫りくる命の危険の中、わずか10分たらずという時間の中で持ち出したものとは? 彼らのリストを通じて、一人ひとりのストーリーが見えてくる。

言葉の持つ力や、言葉の奥に込められた難民の思いをくみ取りながら、原作『What They Took With Them: a List』の原作者であるジェニファー・トクスヴィグとともに、原作に込められた意図を理解し、一言一句丁寧に、長い時間をかけて翻訳作業を行い、日本語版の詩が完成させた。

撮影には、日本で活躍中の俳優、アーティストたちが参加し、言葉一つひとつの持つ意味をくみ取りながら本読みとリハーサルを繰り返した。原作の持つ世界観を壊さぬよう、テンポやリズム、間を大切にしながら、緊迫感のある映像となっている。

『What They Took With Them: a List』は原作者のトクスヴィグが2015年に、故郷を追われた難民たちの物語や生の証言、彼らが持っていったものに触発されて書かれたものだ。この詩は写真家のブライアン・ソコルがUNHCRと共同で行った写真プロジェクト「The Most Important Thing」が情報源の1つとなっており、UNHCR親善大使であるケイト・ブランシェットやその支援者がこの詩を披露した2016年の詩の朗読フィルムには、ブライアンの写真が多数登場している。

■朗読劇に参加した方々

カトウシンスケ、Crystal Key、坂巻有紗、サヘル・ローズ、鈴木亮平、TAO、May.J、米本学仁、渡辺豪太、渡辺真起子