『ルパン三世』メイサ真価は?『ホットロード』尾崎豊に失笑、夏話題作を予告でチェック
この夏休みは人気コミックを元ネタにした話題作が目白押し! 待ち遠しい本編を見る前に予告編を見て期待と祈りを高めてみた。
『るろうに剣心 京都大火編』8月1日公開予定
和月伸宏による原作の人気コミックのクライマックスと言える“京都編”を2部作で映画化した前編。原作キャラクターに黄色い声援を送って萌えるファンが多いため、2012年の実写映画化第1弾のときもキャストが話題となったが、今回注目されているのはシリーズ最大の悪役と言える志々雄役を藤原竜也が演じる点だろう。全身包帯だらけのために見た目は誰がやってもごまかせるし、一番漫画的なキャラクターにオーバーアクションを得意とする藤原竜也はピッタリと思えた。しかし、予告編を見ると、どうにも小粒感が否めない。ただ前作も、うるさいファンを黙らせたダイナミックなアクションとスケールの大きい演出は健在だから、それでカバーされてるといいが。
・[動画]『るろうに剣心 京都大火編』予告編
『ホットロード』8月16日公開予定
『あまちゃん』でブレイクした能年玲奈がその次の出演作に選んだことで話題となった青春ラブストーリー。原作は1980年代にヤンキー少女のバイブルとして一世風靡した紡木たく原作の同名少女漫画だ。予告編を見る限り、愛を知らない孤独なヒロイン像も純愛も能年玲奈の透明感ある雰囲気に合っており、順調に予告編を見ていると中盤から流れるのは主題歌の尾崎豊の「OH MY LITTLE GIRL」。80年代・不良とくれば当然のチョイスだが、しかし、ファンには悪いが、筆者の中で尾崎豊はもはやTHE 虎舞竜と同じ部類なのだ。音楽で煽れば煽るほど特攻服の少年の姿にプッと笑いが込み上げてくる。全編、失笑とならないことを祈る。
・[動画]『ホットロード』予告編
『TOKYO TRIBE』8月30日公開予定
なんだこりゃ!? 『クローズ』か!? ストリートカルチャーをベースに若者たちの姿と抗争を描いた、井上三太による原作「TOKYO TRIBE2」は少年コミックの不良漫画とは似て非なるものなのだが……。それに、原作は過激な暴力描写を、良いか悪いかは別としてドライでクールでオシャレにこなしているが、映画は赤と黒のイメージのギトギトした映像で体温高い!『地獄でなぜ悪い』などの園子温節が炸裂していそう。全編にわたってセリフをラップで繰り広げるという“バトル・ラップ・ミュージカル”と銘打った本作、園子温監督とラップは結びつきにくいが、自身のバンドも結成した彼が、ラップをどう料理するのか楽しみだ。
・[動画]『TOKYO TRIBE』予告編
『STAND BY ME ドラえもん』8月8日公開予定
『ドラえもん」シリーズ史上において初となる3DCG長編アニメ作品。特報を見たときには、物理的にも心理的にもどこか軽くて硬そうなドラえもんや髪1本1本がサラサラと動くのび太たちが受け入れられなかった。予告編ではウルウル目に紅潮した頬で表情が豊かすぎるためかキャラクターたちのバタ臭い印象は若干気になるが、何度もチェックして全体的に見慣れてきたようで物語に入っていけそうだ。背景をミニチュアで製作したというリアル感と感動路線の脚本が素敵なハーモニーを奏でてくれますように。
『ルパン三世』8月30日公開予定
ルパン役が小栗旬? 銭形のとっつぁん役が浅野忠信だ〜!? と目くじらを立てていたが、予告編を見ると、今回紹介する5作品のうち一番安心感がある。原作の持つノワール感漂う大人なムードもありつつ、「あららららら〜?」というルパンのセリフの口調や、とっつぁんのダミ声やメガホンの“埼玉県警”の文字などアニメのイメージも残していて誰もが違和感を持たないであろう。ただ、予告編ではカットが速くて単純にまだよくわからない……。黒木メイサの峰不二子役の真価に至ってはあまりに一瞬のため本編までお預けとなりそうだ。
(文:入江奈々/ライター)
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