銃規制支持のハリウッド・セレブに嫌がらせの嵐。背景に見えるSNSのマイナス面
アメリカでは何年も前から学校や映画館、ショッピングモールといった公の場での銃乱射による無差別殺人事件がたびたび発生し、そのたびに銃規制の議論は起きるが、簡単に結論は出ない。そんな問題について発言し、嵐のような反発に遭っている1人がクリス・ロックだ。
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彼は、アニメ『マダガスカル』シリーズのマーティ役や第77回アカデミー賞授賞式の司会などで知られる人気コメディアンだが、銃規制について発言して以来、脅迫や嫌がらせに悩まされていることを告白した。
アメリカでテレビトーク番組『Chelsea Lately』に出演したクリスは「クレイジーなメールが山ほど来るんだ。『殺すぞ、このクソ野郎。頭を撃ち抜いてやる!』とか。まったく……。そんなのごめんだよ」と呆れた表情で笑った。
「『銃を全部破棄しろ』と言ってるわけじゃない。家庭にマシンガンなんて置くべきじゃないと思ってるだけだよ。それって行き過ぎなのか? レースカーを(ロサンゼルスの)サンセット大通りで運転できないだろ? そういう規則なんだから。だから、銃に関する規則があってもいいんじゃないの?」と自身の考えを説明。銃規制に反対の人々と対決するには「マシンガンが必要だよ」と皮肉まじりのジョークを飛ばす。
クリスは2012年にスタンダップ・コメディのパフォーマンスでも、“銃”ではなく“銃弾”を規制すればいい、と語っている。「銃弾1発の値段を5000ドルにするべきだ。そうなりゃ、その場に居合わせただけで撃たれることなんてなくなる」「弾1発が5000ドルなら、撃つ前によ〜く考えるはずさ」。
クリスだけではなく、他にも銃規制を支持するハリウッドセレブは多い。例えば、2012年12月にコネティカット州のサンディー・フック小学校で26人が死亡した銃乱射事件の直後、クリスをはじめビヨンセ、グウィネス・パルトロウ、ジェニファー・アニストン、ジェイミー・フォックス、ジェレミー・レナー、ジョン・レジェンド、キャメロン・ディアスなどが、「銃による暴力を終わらせるプランの要求」と題したメッセージ・ビデオに出演して銃規制を訴えた。
また、ジム・キャリーも昨年、銃規制反対派を挑発する内容のコントをインターネットのコメディ・サイト「Funny or Die」で披露した。彼はさらにツイッターで銃愛好家や銃購入者を激しく非難して炎上、暴言については謝罪したが、改めて銃規制支持を表明するという一幕も。SNSを介して簡単にコミュニケーションがとれるようになったぶん、感情的な反応や嫌がらせも一挙に押し寄せる。クリスは先のテレビ番組で「もう何かに対して反対意見を述べることは一生ないよ」と辟易した様子。もちろんジョークだが、本音も混じっているはずだ。ユーモアをなくさず、でも主張すべきことは曲げない。そんな心意気が失われてしまうことがないよう願うばかりだ。
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