個人攻撃の場にも。ロビン・ウィリアムズ娘への嫌がらせを巡って考えるSNSの功罪
11日(現地時間)に亡くなったロビン・ウィリアムズ。突然の衝撃的な最期に、世界中のファンや彼と一緒に仕事をしてきた人々、そして何より遺された家族は深い悲しみに沈んだ。だが、愛する人の喪失を受け入れるための大切な時間に土足で踏み込むものがある。それは生前のロビンや彼の家族たちも愛用してきたインターネットのソーシャルネットワークサービス(SNS)だ。
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ロビンの葬儀はサンフランシスコ近親者のみで執り行われる予定だが、カンザス州に拠点を置くキリスト教団体「ウェストボロ・バプテイスト・チャーチ」が葬儀の際に抗議デモを行うとツイッター表明している。同団体は同性愛者とその支持者に対する激しい抗議活動で知られ、生前に同性婚支持を表明していたロビンの葬儀に乗り込む意向をこの数日間、ツイッター上で複数回つぶやいている。
ロビンは11日、カリフォルニア州ティブロンの自宅で亡くなっているのをパーソナル・アシスタントによって発見され、その後、自殺を図って窒息死した模様だと警察が発表した。
ロビンの娘で女優のゼルダ・ウィリアムズは父の訃報を受けて、ツイッターでサン=テクジュペリの「星の王子さま」の一節を引用して父の死を悼み、彼女や家族のもとには哀悼の意を示すメッセージが殺到した。その一方で、ゼルダのアカウントに宛てて、ロビンの生前の画像をPhotoshopなどで加工した画像やゼルダを非難する嫌がらせも少なからず送られた。
言われなき中傷に加えて父の尊厳を踏みにじる画像にゼルダは大きく動揺し、ツイッター運営側に即座に通報、画像を送ったアカウントは凍結された。だが、ゼルダは当面の間、ツイッターやインスタグラムなどのSNSは更新しないと発表、アカウントの削除も考慮しているという。
画像付きでスターが仕事の現場の様子や日常生活を投稿するSNSは、ファンと直接コンタクトできる可能性もあり、ファンとの距離が近くなることから利用者は多い。一般人にとっては、自分の意見を広く世間に伝えるために便利なコミュニケーション・ツールでもある。だが、そのおかげで、人の死という厳かなものさえ、いとも簡単に冒涜されるようになってしまった。ロビンに謹んで哀悼の意を表すると共に、これを機にSNSの功罪について今一度考えるべきかもしれない。
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