山田洋次監督が米倉斉加年に追悼文「素晴らしい役者がこの国から一人消えた」

山田洋次監督
山田洋次監督

俳優・演出家として活躍し、8月26日に80歳で亡くなった米倉斉加年(よねくら・まさかね)の訃報に際し、山田洋次監督が追悼文を寄せた(以下全文)。

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この春、米倉さんに出演してもらった映画『小さいおうち』のパーティでお会いしたときはとても元気で、この次は喜劇の舞台をやろうねと、その話で盛り上がり実際ぼくはその気になっていたので、あまりの突然で言葉もありません。

心から師の宇野重吉さんを尊敬した人でした。ぼくは彼がうっとりした表情で宇野さんの話をする姿が好きだったし、その姿がいつのまにか宇野さんに似てきたような気がしたものです。

柔軟な感性と表現力、その奥に硬質な思想がでんと座っている、素晴らしい役者がこの国から一人消えた、という思いです。

山田洋次

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