俳優の磯村勇斗が、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に出演。主演作『ビリーバーズ』での役作りや、現場でのエピソードを語った。
「いつか無人島が舞台の作品に出たいという憧れがありました」
本作は、カリスマ的な人気を誇る漫画家・山本直樹による同名コミックを、⻤才・城定秀夫監督が映画化したもの。とある孤島を舞台に、純粋な信仰心と抑えきれない欲望の間で揺れ動く三人の男女の奇妙な関係を描き出している。
主演の磯村が演じているのは、カルト団体「ニコニコ人生センター」の中で、いかなる欲も捨て去って浄化を目指す“オペレーター”。オーディションで抜擢された北村優衣が“副議⻑”を、名バイプレイヤーの宇野祥平が“議⻑”をそれぞれ演じ、大自然の中で見事なアンサンブルを生み出している。
さらに、「ニコニコ人生センター」の教祖である“先生”を本作の原作者である山本が、“副議⻑”と恋仲にある“第3本部⻑”に毎熊克哉が扮し、作品に深みをもたらしている点も注目だ。
この非常に特異な作品で映画初主演を務めた磯村は、本作を自身の趣味趣向に近いものだと捉えているようだ。「この独特の世界観と言いますか、無人島の中で人間たちが“孤島プログラム”をやっていくと、どういうふうに変化していくのかというところを含めて。トム・ハンクス主演の『キャスト・アウェイ』(01年)が好きなのですが、いつか無人島が舞台の作品に出たいという憧れがありました。そういう意味で『ビリーバーズ』は、まあ…あそこまで極限状態にはいかないですけど、それをちょっと体験できるんじゃないかと思ったり。単純にこの世界観が自分にフィットしたというのもあります」と語る磯村。
本作に参加するにあたって参考にした作品などについて番組MCを務めたライター・SYOが話題を振ると、磯村は「原作を読んでみて、どういう方向に持っていく作品になるのか気になっていました。いろんな方向性に振ることのできる作品だと思っていたので。『ミッドサマー』のような、あの不気味さがずっと続く感じも合いそうだと思っていましたが、城定さんが作り上げる独自の世界観の作品になりました。自分の中では、『ミッドサマー』(20年)や『キャスト・アウェイ』、ラース・フォン・トリアーの作品だったり。精神的な部分を参考にというか、自分の好きなものなので、思い出しながら『ビリーバーズ』の世界に近づいていったところがありますね」と答えている。
この返答にSYOはかなり納得の様子。本作と自身との繋がりについて磯村はさらに語っている。その他この収録では、“オペレーター”という特殊な役を演じるにあたっての「プレハブに泊まり込みをした」という役作りや、城定監督の現場ならではエピソード、そして自身の表現活動に対する思いなど、幅広くさまざまなトークを展開している。
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