ホロコーストの世を生き抜いたボクサーに賞賛の声が続々!
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7・22公開『アウシュヴィッツのチャンピオン』本編映像&著名人から推奨コメント
2020年、ポーランドで最も権威のあるグディニャ映画祭で金獅子賞(最優秀作品賞)受賞、さらに22年同国のアカデミー賞とされるイーグル賞で4部門(撮影賞、美術賞、メイクアップ賞、主演男優賞)を受賞し話題を呼んだ『Mistrz』(原題)が『アウシュヴィッツのチャンピオン』の邦題(英題:The Champion of Auschwit)で7月22日から、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国で順次公開される。
同作は、アウシュヴィッツ強制収容所で司令官や看守らの娯楽として消費される葛藤を抱えながらも、生き延びることを諦めずにリングに立ち続けた一人のボクサーの実話を基にしたヒューマンドラマ。
モデルとなった実在のボクサー、タデウシュ・“テディ”・ピエトシコフスキは、看守やカポ(囚人の中の統率者)を相手に数十戦の勝利を収め、囚人仲間にとってナチスの恐怖を打ち破り生き残るための希望の象徴だった。
元囚人たちの証言や、本人の記憶をもとに、彼が歩んできた歴史を見事に映像化した。
公開された本編映像は、1人のドイツ人カポがボクシングチャンピオンであったテディの才能に気付くシーン。
揃いの縞模様の囚人服を身につけ、十分な寝床や食事を与えられることなく過酷な労働に従事させられていたある日、少年ヤネックをかばって、カポらの対戦相手をすることに。
ひとたび拳を突き合わせるとテディの表情は変わり、鋭い眼光で標的を睨み攻撃を冷静にかわし続け、隙を見て打撃を繰り出すと見事勝利する。
1941年3月、彼はカポとのボクシング対決で勝利した初めてのボクサーとなり、これをきっかけにその後も看守らの娯楽として何度もリングに立たされることになる。彼の長い闘いが始まる重要な場面だ。
この後、アウシュヴィッツ強制収容所で彼にどんな運命が待ち受けているのか。本編に期待が高まる映像になっている。
同作に現在のウクライナ情勢と重ねて思いを馳せる阪本順治監督
さらに、公開に先駆けて、同作を鑑賞した著名人の方々から推奨コメントが到着した。
元ボクサーで、俳優の赤井英和は「武器は持たへんけど、困った仲間はみんなで助け、希望は忘れへんぞ。物語りの中のみんなから、そんな気持ち、伝わったよ」と絶望的な状況下でも生き延びることを諦めず闘い続けた主人公らについて感想を寄せた。
自身のラジオ番組でも度々ホロコーストをテーマに発信し、取材も重ねている評論家でラジオパーソナリティの荻上チキは「生き延び、語り継いだ人々が、この物語に何を見出したのか。目撃して、想像してほしい」とコメント。
さらに、少女と戦争を描き続け、アウシュヴィッツをテーマにした『アノネ、』も発表している漫画家の今日マチ子は「期待を背負うことは重荷だが、希望でもある。果たして、自分はこんなふうに生き抜けるだろうか?」と、囚人仲間からの期待を一身に背負いリングに上がり続けたテディについてコメント。
赤井英和の俳優デビュー作『どついたるねん』(89年)や、プロボクサー・辰吉丈一郎さんのドキュメンタリー『ジョーのあした 辰吉丈一郎と20年』(15年)も手掛ける映画監督の阪本順治は「これは遠く以前の物語ではない。いま、元世界ヘビー級チャンピオンのキーウ市長・クリチコの拳は、リングではなく戦場にある」と、ボクシングの元世界王者であり現在はウクライナの首都・キーウの市長として戦場に立つこととなったクチリコ氏が置かれている状況に重ね、コメントを寄せた。
さらに、『百円の恋』(14年)、『アンダードッグ』(20年)など、ボクシングを題材とした映画も手掛ける映画監督の武正晴は「ボクサーテディの命を賭けた拳闘が凄まじい。劇場で目を背けずに観て欲しい」とスタントなしで挑んだ迫力のボクシングシーンについてもコメント。
俳優の古舘寛治は、「負の遺産を振り返り続ける。それこそが正しい未来を選ぶことだ」と、語り継いできた人々から学ぶことの重要性についても言及した。
大戦の記憶が薄れゆく中で、戦争がどれほど悲惨で人を狂わせるのかを改めて見せつけられた今年。“絶滅の地”で何を思い、闘い続けたのか……。
ホロコーストを生き抜いたボクサーの知られざる半生を描く衝撃作『アウシュヴィッツのチャンピオン』は7月22日から、全国で公開される。
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