映画をタダで楽しめる?! 趣味と投資を一度に叶える東宝株の株主優待とは？

【株主優待でもっとエンタメ！】貯蓄から投資へ！の時代だそうだ。たしかにバブル期には、銀行にお金を預けておくだけで10年後にはお金が2倍に！なんてこともあったそうだが、最近では100万円を銀行に預けていても、1年でわずか10円程度の利息がつくだけ。元本保証されているから「まぁいいや」と思っていたら、急激円安で、ドル計算すると私の貯金は目減りしているのだとか。

う～ん、それは困った。とはいえ、投資と言ってもピンとこない。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で転落ブローカーを演じたディカプリオや、『ハゲタカ』で投資ファンドマネージャーを演じていた大森南朋のクールな姿が頭をよぎるが、あんなスリリングは見るだけにしておきたい。

そこで、知り合いのフジエダさんに投資について聞きに行くことに。フジエダさんは子どもの頃から株に親しんだ投資オタクだ。2018年秋に「ビットコイン、おすすめですよ」と勧められるもスルーしてしまったが、当時は1BTC（ビットコイン）が50万円以下だったけれど、昨年秋には700万円を超え「あのとき100万でもいいから買っておけば！」と地団駄を踏んだものだ（100万円なんて持ってないのですが…）。

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映画好きだから、まずは東宝の株をチェック！

私：こんにちは。世の中、投資、投資っていうので、ちょっと株でも買ってみようかなと思ったんですけど、お私にお勧めの株ってありますか？

フジエダさん：会社によっては1万円くらいから買えるミニ株っていうのもあるので、買えないことはないんだけど…。どこの会社の株を買いたいの？

私：いや～、それすらもよく分からなくて。

フジエダさん：気になる会社は？ 好きな分野の株から入る——例えば「車が好きだからTOYOTAを買ってみる」というのは初心者にとって王道の入り口だよ。

私：う～ん、映画が好きだから、東宝とかNetflixとか？？

フジエダさん：Netflixはアメリカの株式だから、いきなり始めるにはハードルが高いかな。東宝なら、株価も安定して上がっているし悪くないんじゃない？

私：じゃあ、東宝の株の買い方を教えてください！

フジエダさん：株は証券会社で口座を作れば買えるから、まずは店舗かネットで調べて口座を作ってみて。野村證券とか楽天証券とかいろいろあるよ。で、今日はせっかくだから、東宝の株について一緒に調べてみようか。

僕は小学生の頃に日活の株を買ったんだけど、倒産しちゃったから50万円がパーになったことがあるんだ。

せっかく買った株がそんなことになったら大変だからね。

私：50万円がパー！ それは困るなぁ。

フジエダさん：でも、株価の推移を見ると、東宝は堅調なんじゃないかな。もちろん、元本保証ではないので、100％安全な株というのはないんだけれど。

それに、東宝には株主優待制度もあるよ。

私：株主優待？

フジエダさん：株主への特典だよ。丸大食品はハムなどがもらえたり、伊藤園だとお茶の詰め合わせがもらえたりするんだ。東宝は映画招待券や演劇招待券がもらえるみたいだね。

私：映画館のチケットってこと？？ それはいいですね！ 東宝にします。

フジエダさん：じゃあ、東宝の株主優待の条件を見てみよう。100株～499株で招待券が1枚発行されるんだね。

私：え、じゃあ家族3人で楽しむには約1500株必要ってこと！？ 

フジエダさん：いやいや、500株～999株で3枚発行されるそうだよ。でも、舞台挨拶付きの上映には使えないなど、いろいろと制約があるんだ。

私：500株か……。ちなみにいくらなんですか？

フジエダさん：今日（7月19日）は1株5,130円だから、500株で256万5,000円が販売価格。10%の株価上昇と売買にかかる手数料(1万円)も考慮して、ざっと280万円が必要だね。

私：う～ん、高い。とても手が出ないなぁ。でも、せっかくだから、「いつか」のために色々教えてください。

フジエダさん：了解！ 目標があると貯金もしやすいからね。

東宝は、観劇チケットの優待もあるんだよ。まあ、1万株以上保有の株主向けだけど、S席相当の観劇券が、半期に1枚ずつ発行されるんだ。

私：1万株か～。

フジエダさん：気をつけないといけないのは、株を買ったらすぐにチケットがもらえるわけじゃないってことだよ。

株主として承認される基準日（配当基準日）というのがあって、その時期に必要な数の株を保有していないと優待を受けられないんだ。

東宝は2月末と8月末が基準日。8月なら、優待の権利付き最終売買日が8月29日なので、その日までに株を買っておかないといけないんだ。

しかも優待目当ての人は結構多いから、基準日付近は株価が上がりやすい。

私：東宝の株は、2月、8月に高くなりがちってことですね。

フジエダさん：うん。

それから、すぐに招待券がもらえるわけじゃないんだ。8月末日に株主の人には11月中に招待券が届くから、長期計画で臨まないといけないね。

私：自分で映画代払って見に行った方が早いですね（笑）。

フジエダさん：映画を見に行くだけなら、そうだね。

でも、株を持っていたら、映画が半年に1回タダで見られる上に、お金が儲かるかもしれないんだよ。

しかも、株を買うということはその会社を応援することになる。

映画作りを応援しながら、タダで映画が見られて、その上、株価が上がったら儲かるかもしれないんだ。夢があると思わない？

私：確かに。オーナー気分も味わえるかも。

フジエダさん：ちなみに、映画チケットが手に入る優待制度は他の会社にもあって、株式会社KADOKAWAやOS株式会社などがあるよ。株式会社東京楽天地は、純粋売買益を目指すなら、今は良いタイミングかもしれないね。

私：東京楽天地は、初めて聞く会社だな～。東宝の関連会社でTOHOシネマズ錦糸町なんかを運営しているんですね。

フジエダさん：残念ながら、今は東宝の株は無理みたいだけど、いろいろ調べてみると面白いよ。

私：勉強になりました！ ありがとうございました～。

【今日のまとめ】

●東宝で映画招待券（1枚）を得るには、最低100株必要

●1万株以上持っていると観劇チケットが手に入る。

●2月末、8月末に株を持っていることが必須。

（text：編集部スタッフ S）