(後編)大本命は『アニー』、ラブホが舞台の染谷将太×前田敦子共演作の期待値は!?

#週末シネマリサーチ

大本命の『ANNIE アニー』
大本命の『ANNIE アニー』

(…前編より続く)
○【6位予想】『ビッグ・アイズ』
ティム・バートン監督の最新作『ビッグ・アイズ』。1960年代アメリカで大ブームを巻き起こした絵画「ビッグ・アイズ」シリーズの作家ウォルター・キーン。一躍、彼は時の人となるが、実は絵を描いたのは妻のマーガレットだったという話。描かれているテーマは違うが、昨年世間を騒がせた、あの出来事に似ているようないないような……なんてことはさておき、本作、現地時間1月11日に発表された、第72回ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で、エイミー・アダムスが最優秀主演女優賞を受賞と、公開直前に追い風がふいた。
ティム・バートン監督と言えば、ジョニー・デップとのタッグで『チャーリーとチョコレート工場』(05年)、『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(08年)、『アリス・イン・ワンダーランド』(10年)、『ダーク・シャドウ』(12年)が初登場1位を記録するなど、日本で最も人気のある監督の1人。前作のアニメーション『フランケンウィニー』(12年)も初週で8万人を動員し8位にランクイン。全国約100スクリーンと過去のティム・バートン作品に比べ、上映館数は少ないが、作品の話題性などを含めベスト10入りする可能性も。

【週末シネマリサーチ】(前編)大本命は『アニー』、ラブホが舞台の染谷将太×前田敦子共演作の期待度は!?真

▲【9位予想】『さよなら歌舞伎町』
年明け早々、女優の菊池凜子と電撃入籍を発表した染谷将太主演作。共演に元AKB48の前田敦子、キム・ギドク監督の『メビウス』で男性器を切り落とす妻を演じたイ・ウヌ、南果歩、松重豊、田口トモロヲ、大森南朋、忍成修吾など実力派俳優ぞろいで、映画ファンなら食指が動く作品。イ・ウヌの脱ぎっぷりも話題だ。
近年では珍しいオリジナル作品で、原作の認知度などの後ろ盾はないが、1月8日に行われた外国人特派員協会での記者会見では、染谷の結婚報道後、初の公の場ということもあり、異例の報道陣が詰めかけ大きな宣伝効果となった。
一流ホテルマンと家族に偽り、新宿のラブホテルの店長を務める男を軸に、様々な“ワケ”を持った男女の1日を描いた本作。登場人物の心情が丁寧に描かれており、作品としての質も高い。同じ配給(東京テアトル)で初週に4万人を動員した『まほろ駅前狂騒曲』が7位。人気シリーズとの比較は厳しいかもしれないが、同等のスタートを切ることも。

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【注目シネマ】
△『KANO 1931海の向こうの甲子園』
昨年末公開になった『バンクーバーの朝日』、先週公開の『アゲイン 28年目の甲子園』と野球がテーマの作品が続いているが、本作の舞台は、日本統治下の1931年。台湾代表として全国高校野球選手権(甲子園大会)に出場し、準優勝した嘉義農林学校を描いた物語だ。
 台湾では2013年2月27日に公開し、大ヒットを記録。主演の永瀬正敏をはじめ、坂井真紀、大沢たかおなどの共演陣も玄人好みで、野球映画のトリを飾る作品として動向が気になる。ちなみに『バンクーバーの朝日』観客動員12万人、興収1億5000万で4位、『アゲイン 28年目の甲子園』は4万人、約5100万円で7位という出だしだった。他の2作とは公開規模が違うので比較はできないが、前評判も良く注目だ。

×『摂氏100℃の微熱』
小説・コミック投稿コミュニティ「E★エブリスタ」で電子書籍大賞2013を受賞した野咲あやのの同名小説を映画化。主演は平愛梨、劇団EXILEの青柳翔。淡路島と神戸を舞台にピュアな恋模様が描かれる。
昨年行われた「第6回沖縄国際映画祭」でお披露目され、好評を博した本作。阪神・淡路大震災から20年を迎えた今年、南あわじ市の阿万海岸海水浴場や、淡路市の伊弉諾神宮や奇跡の星の植物館など、淡路島の自然の美しさも見どころ。小規模公開ながら動向が気になる。(文:磯部正和/映画ライター)

磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

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