正月映画は日米アニメがダントツのヒット。客層広い『ベイマックス』が『妖怪ウォッチ』を追い上げ!

#映画興収レポート

『ベイマックス』
(C) 2014 Disney. All Rights Reserved.
『ベイマックス』
(C) 2014 Disney. All Rights Reserved.

1月に入っても12月20日公開の『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』と『ベイマックス』が絶好調だ。

『妖怪ウォッチ』が公開初日2日間で興収約16億円、『ベイマックス』が6億円。スタート時の勢いは『妖怪ウォッチ』が強かったが、その後『ベイマックス』がじわじわと追い上げて、1月26日時点でほぼ同じ。『妖怪ウォッチ』が70.7億円、『ベイマックス』が70.3億円となっている。

『妖怪ウォッチ』が小学生低学年と親世代が中心なのに対し、『ベイマックス』はファミリー層から20代、30代のカップル層まで幅広く集客していることで、最終的に『ベイマックス』が2015年正月映画ナンバーワンとなりそう。配給元ディズニーによれば興行37日間での70億円達成は、『モンスターズ・ユニバーシティ』(最終89.6億円)の39日間より速いペースとのこと。アカデミー賞長編アニメーション映画部門でノミネートされた話題性もあり、2月に入ってからも興収を伸ばしそうだ。

正月公開のアニメ映画2本が好調な一方、1月公開作の勢いは弱く、興収10億円超えは1本もない。

1位『映画 ST赤と白の捜査ファイル』は、警視庁・科学特捜班を舞台にした人気ドラマの映画化。科学特捜班(通称ST)のリーダーで対人恐怖症の天才分析官・赤城(藤原竜也)と、お人好しのキャリア警部・百合根(岡田将生)の活躍を描く。赤城が殺人事件の容疑者として逮捕されるが、百合根は赤城の無実を信じて独自に捜査をする。主演の2人が製作元・日本テレビ系の情報番組やバラエティ番組に数多く出演してPRにつとめた。

2位『劇場版PSYCHO-PASS サイコパス』は『踊る大捜査線』の本広克行監督がアニメーションの総監督を初めてつとめ、フジテレビで2012年に第1期、14年に第2期が放送された劇場版。人々の精神を数値化する「シビュラシステム」が導入された近未来の日本を舞台にしたSF警察ドラマだ。上映スクリーン数は103と少なめながら、アニメファンを集めてヒットした。

3位『96時間/レクイエム』はリーアム・ニーソンが元CIA工作員に扮したアクションシリーズ第3作。元妻を何者かに殺された上、容疑者として警察から追われる身となった主人公は、残された娘を守りつつ犯人探しに奔走する。(文:相良智弘/フリーライター)

[1月公開作ランキング]
1位『映画 ST赤と白の捜査ファイル』7.3億円
2位『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』5.6億円
3位『96時間/レクイエム』4.5億円
※『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』70.7億円
 『ベイマックス』70.3億円
(1月26日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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