栗原類、中国の鬼才ロウ・イエ監督に質問攻め!
1月24日より公開中のロウ・イエ監督最新作『二重生活』。この映画のトークイベントが1月26日に渋谷アップリンクファクトリーで行われ、来日中のロウ・イエ監督と栗原類が登壇した。
ぜん息の悪化により舞台「DARKNESS GATE」を降板し、体調が心配されていた栗原だったが、この日は元気な姿を披露。注目していたというロウ監督に「舞台俳優と映画俳優の違い」などを積極的に質問し、演技に対する意欲を垣間見せた。
本作は、天安門事件を扱った『天安門、恋人たち』で映画製作・上映禁止処分を受けたロウ監督が、禁止令解除後、5年ぶりに中国で製作した衝撃のメロドラマミステリー。経済発展が著しい武漢市を舞台に、事故死した女子大生、彼女と最後に接触した2つの家庭を持つ男、その妻と愛人が織り成す複雑な物語がスキャンダラスに展開する。
栗原は「映画を見ていて、俳優のカメラ目線が気になった。見ている僕たちが映画のなかにいるような、第三者として存在しているような臨場感を味わいました。これは意図したことなのですか?」と質問。これにロウ監督は「ドキュメンタリー・タッチで人物を撮ることによって、その人物がおかれている境遇をリアルに表現したいと思ったのです」と説明。
続けて「例えば幼稚園のシーンでは、実際の幼稚園の生活のなかに、俳優を紛れ込ませましたが、幼稚園自体は演出ではなく、いつものスケジュールで自然に生活が営まれている。あるいは、夫の帰りをキッチンで迎える本妻役のハオ・レイは、20分前から実際に食事を作っていて、すでに3品の料理ができていた。つまり、そこまで生活のリアリティを追求して作っているわけですが、私のこうしたやり方に俳優たちがよく対応してくれたと思います」と、リアリティへのこだわりと、俳優たちの努力について語った。
そうした話に栗原は興味津々の様子で、さらに「舞台を得意とする俳優を映画で指導するのは、どんな感覚なのでしょうか?」と質問。ロウ監督は「映画と舞台は、演技に求めているものが全く違うので、舞台の方法で映画に臨むとさまざまな問題が生じてくる。私が求めているのは、『役者は演じるのではなく、その役に成り切って生きる』ということ。本妻役のハオも、愛人役のチー・シーも舞台経験者ですが、すぐに私のやり方を理解してくれました」と満足そうに話していた。
『二重生活』は新宿K’s cinema、渋谷アップリンクほかにて公開中だ。
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