中谷美紀が頑固でこだわり深い仕立て屋の市江を演じる『繕い裁つ人(つくろいたつひと)』。1月31日に封切られたこの映画の大ヒット御礼舞台挨拶が2月18日に新宿ピカデリーで行われ、主演の中谷と三島有紀子監督が登壇した。
中谷は大ヒットを受け「映画ファンはもとより、普段映画をあまり見ない方がたくさんいらっしゃっているとお聞きして、大変嬉しいです」と挨拶。プロモーションで5回以上訪れたという神戸・大阪での観客の反応については「意外と男性の方が多いので驚きました。男女関係なく、心が1ミリ動くような機微を描いて、日々の疲れがスッととれるような世界観が本当に素敵で、その魅力がみなさんにも伝わったのではないかと思います」と話した。
また、頑固な洋裁店店主の役を演じるにあたり、撮影1ヵ月前から猛練習したというミシンのシーンについて聞かれると、「ゴースト(影武者)ではありません!」と、主演ドラマ『ゴーストライター』にかけてジョーク! 続けて「これまでミシンはほとんど使ってきていなかったので、必死に習得に励み、撮影中はハマりました。……と言いつつ残念ながらプライベートでは今後ミシンをやる予定はないのですが、続編があればもちろん挑戦します。関係者のみなさま、どうぞよろしくお願いいたします」と呼びかけ、笑いを誘っていた。
一方、構想8年の本作が念願の大ヒットとなった三島監督は「多くの戦友とともに、こうして公開を迎えられたことは奇跡だと思う」と感無量の様子。主演の中谷については「最初の戦友になってくれた中谷美紀さんと出会ったことから本作はスタートしました」と感謝の言葉を伝えていた。
この日は、舞台挨拶後に本作の次回上映に見に訪れた観客に対し、中谷自身が人生初の“チケットもぎり”で出迎えるというサプライズも行われた。驚きと喜びで次々に歓声が上がるなか、観客は「鑑賞は2回目です。中谷さん演じる市江の生き方に本当に感動しました」「ゴーストライター見てます。中谷さん大好きです」などと興奮した様子で目の前の中谷に思いを伝え、中谷も1人ひとりに笑顔で対応していた。
もぎり体験後には「人前で演じることは結構プレッシャーもあって、時折辞めたくなる時もあるので、いずれ女優が嫌になったら、女優を辞めて映画館でもぎりのアルバイトをやって生計を立てたいと思います。少しでも映画に携われるならば嬉しいので」と述べ、「ただ、時給は最低でも880円はいただきたいですね」と明かしていた。
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