(…前編より続く)
○【3位予想】『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』
真夜中になると博物館の展示物が動き出す『ナイト ミュージアム』シリーズ最終章。展示物に命を吹き込むエジプトの石板の魔力が消えかかる危機に直面した夜警のラリーたちが、息子たちを連れロンドンの大英博物館に向かうことから大騒動が巻き起こる。
・【週末シネマリサーチ】(前編)動員100万人突破の『ドラえもん』V3を制するのはどの作品か?
シリーズ第3弾。過去2作品共に好成績を上げており、本作への期待も高まる。前作『ナイト ミュージアム2』(09年)が、全国625スクリーンで、土日の動員28万人、興収3億5000万で初登場1位、『ナイト ミュージアム』(07年)も初登場1位で、最終的には35億円のヒットとなった。
日本語吹き替え版には、お笑い芸人の渡辺直美、徳井義実、女優・山崎紘菜などを起用。個人の持つ知名度で、作品のプロモーションの一役を担った。故ロビン・ウィリアムズは、本作が実写映画の遺作となる。シリーズものはだんだん数字が落ちるという定説はあるため、多少割り引いたとしても、20〜25万人は期待できる。
▲【5位予想】『映画 暗殺教室』
「週刊少年ジャンプ」で連載中の松井優征の同名人気コミックを、映画『海猿』シリーズの羽住英一郎監督が実写映画化。名門中学校の落ちこぼれ生徒たちが、政府から地球を破壊するために突如現れたタコ型生物の暗殺を依頼されたことから始まる騒動を描く。
主演をつとめるのは、Hey! Say! JUMPの山田涼介。その他、菅田将暉、山本舞香、竹富聖花、優希美青、橋本環奈など旬な面子が顔を揃える。比較対象となるのが、少年コミックの実写映画化、同一配給と共通点の多い『神さまの言うとおり』(14年)か。全国318スクリーンで公開され、動員13万人、興収1億8000万というスタートだった。
本作も上映館数はぼぼ同数。若い世代をターゲットとしたプロモーション活動など共通点は多い。『神さま〜』が福士蒼汰、『暗殺教室』はジャニーズ山田涼介という視点で数字を見るのも面白いだろう。13〜15万人を予想。
【注目シネマ】
×『陽だまりハウスでマラソンを』
元オリンピックのマラソン金メダリストの男性が、妻と一緒に入った老人ホームでの生活に嫌気をさし、70歳を過ぎた時点で、フルマラソンに挑戦する姿を描いた物語。
主演はドイツで国民的人気の喜劇俳優ディーター・ハラーフォルデン。9キロのダイエットで臨むなど映像の迫力は満点だ。スタート時、5館前後での上映と小規模公開だが、3月10日には、“お騒がせ女子アナ”として知名度を上げた中島彩をゲストに迎えたトークイベントを開催し、話題になった。
×『スピッツ 横浜サンセット2013 劇場版』
2013年9月に赤レンガ倉庫広場で行われた、1回限りの野外ライブを収録したドキュメンタリー映画。
このところ『Mr.Children REFLECTION』や『中島みゆき「縁会2012〜3 劇場版」』、『BUMP OF CHICKEN“WILLPOLIS 2014”劇場版』などアーティストのライブドキュメンタリー映画が、ランキングをにぎわせている。本作は、公開時、単館上映のため、ランキングに入ってくることはないだろうが、人気バンド「スピッツ」が題材のドキュメンタリー。劇場稼働率やスクリーンアベレージ等の数字には注目が集まる。
(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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