(…前編より続く)
〇【7位予想】『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』
いがらしみきお原作の人気コミック「かむろば村へ」を、劇団『大人計画』の主宰・松尾スズキがメガホンを執り映画化。松田龍平が主演をつとめる。お金に忙殺され会社を辞めた男が、1円もお金を使わない生活をするために東北の村にやって来たことから巻き起こる騒動を描く。共演に阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、西田敏行など豪華キャストを顔を揃える。
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「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」のオープニングを飾った本作。3月12日には完成披露試写、3月30日には、大学生向けのトークセッションに松尾と松田が出席するなど、精力的なプロモーションを展開。さらに30日には、松たか子が女の子出産を発表するなど話題には事欠かない。
約130館での公開スタート。松尾スズキ監督作品は、映画『クワイエットルームへようこそ』(07年)が、13スクリーンでの公開ながら、興収で1500万というハイアベレージを叩き出した実績がある。松田龍平主演では、『まほろ駅前狂騒曲』(14年)が全国199スクリーンで、動員4万人で7位。両側面からも、トップ10入りする可能性は十分にある。
▲【10位予想】『We are REDS! THE MOVIE minna minna minna』(みんな みんな みんな)
昨年6月に公開された浦和レッズのドキュメンタリー映画『We are REDS! THE MOVIE』の後編。2014年3月のホーム開幕戦、差別的横断幕が掲げられた事件からの苦悩、そして厳しい状況下のなか、優勝を目指して戦いを続ける選手たちの一年に迫る。
Jリーグの中でも、熱狂的ファンが多いことで有名な浦和レッズ。埼玉を中心に17館ほどで公開のため、大きな数字を記録することは難しそうだが、大穴狙いでランクイン予想。
【注目シネマ】
×『案山子とラケット 亜季と珠子の夏休み』
佐渡島を舞台に、軟式テニスに打ち込む2人の少女を中心に、周囲の人々が心動かされる姿を描いた物語。主演は「Seventeen」専属モデルの大友花恋と、女優として活躍中の平祐奈。その他、小市慢太郎、関めぐみ、柳葉敏郎など実力派俳優たちが、子供たちを見つめる大人として脇を固める。
上映館数は50弱。3月23日にはヒット祈願特別試写会が行われ、主演2人がテニスウエア姿で登場した。平祐奈は、女優やバラエティーで活躍中の平愛梨の実妹。姉譲りの美貌で話題になるなど公開規模の割には話題が多く、その動向が注目される。
×『たまゆら〜卒業写真〜第1部 芽-きざし-』
テレビシリーズやOVAなどで人気だった『たまゆら』完結編4部作の第1部。広島県竹原市を舞台に、高校3年生になった楓たちが、卒業後の将来の夢に対しての希望や不安を抱きながらも、前に進んでいく姿を描く。
期間限定で上映館が変わっていき、公開初週は10館での公開。声優陣は竹達彩奈、阿澄佳奈、井口裕香、儀武ゆう子らが顔をそろえ、オープニングテーマは人気声優の坂本真綾が担当する。小規模ながらも人気作品は、劇場にファンが押し寄せる可能性が高く、スクリーンアベレージは高い。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』までは厳しいだろうが、大いに気になる作品だ。
(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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