(…前編より続く)
〇【4位予想】『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
映画『バベル』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督がメガホンをとり、第87回アカデミー賞で作品賞、監督賞など4部門を受賞した作品。ヒーロー映画で一世を風靡した俳優が、再起をかけてブロードウェイの舞台に挑む人間物語だ。主演はマイケル・キートン。
・【週末シネマリサーチ】(前編)3位予想が見事大当たり! 今週はスゴイ場面で終わった『ソロモン』後編とオスカー受賞作の行方に注目
オスカー作品賞受賞作の近5作品の成績を振り返ってみると、『それでも夜は明ける』(ギャガ)が全国43スクリーンで動員3万2000人の10位、『アルゴ』(ワーナーブラザーズ)が全国115スクリーンで動員3万8000人の10位(※アルゴはアカデミー賞発表前に日本公開)、『アーティスト』(ギャガ)が動員4万2000人で7位、『英国王のスピーチ』(ギャガ)が全国107スクリーンで動員7万7000人の6位、『ハート・ロッカー』(ブロードメディア・スタジオ)が全国47スクリーンで3万3000人の9位という結果。
本作は約110館での公開。規模的には『英国王のスピーチ』とほぼ同等。実際のマイケル・キートンとダブるような話で、それぞれの役柄にも妙に感情移入できる作品。テレビCM等も日本人好みに仕上がっており、初週の動員は『英国王〜』以上も十分期待できる。8万人は集客したいところだ。
▲【10位予想】『マジック・イン・ムーンライト』
達人ウッディ・アレンが、コリン・ファース、エマ・ストーンを迎え綴ったロマンティック・コメディー。1920年台の南フランスを舞台に、特殊能力を持つ女性占い師と、そのペテンを暴こうとする天才的マジシャンとの恋の駆け引きを描く。
約50館での上映。ウッディ・アレン監督作は、『ブルージャスミン』(14年)が、全国54スクリーンで、動員2万人の10位。『ミッドナイト・イン・パリ』(12年)も11位にランクインするなど、小規模公開にしては健闘している。日本でも人気のウッディ・アレン。南仏を舞台にした大人のロマンティック・コメディーと大崩れしない要素はそろっている。
【注目シネマ】
×『映画 きかんしゃトーマス 勇者とソドー島の怪物(モンスター)』
イギリスの児童向けアニメ「きかんしゃトーマス」の劇場公開版。ソドー島のねんど採掘場「クレイ・ピッツ」にやって来たトーマスが見たという巨大な足跡の話をきっかけに、怪物が島にいると信じ込んだパーシー。しかしその正体は、新しい機関車ゲイターだった……。
公開館数は約100と揃った。これまでベスト10に入ったことはないものの、根強いファンが多い『機関車トーマス』。先着3000名に、70周年限定商品「ミニミニトーマス」がつくムビチケカードが発売など、親子連れには魅力的な特典も集客の一役を担っている。1〜2万人の動員も不可能ではない。
×『ゲキ×シネ「阿修羅城の瞳2003」』
「劇団☆新感線」が2003年に市川染五郎、天海祐希らを迎えて上演した舞台を劇場公開。当時、テスト上映のみだった幻の映像が、デジタルリマスターで蘇った。
4月4日には、市川染五郎と天海祐希が公開直前舞台挨拶にそろって登壇。自身の12年前の姿に感慨深い表情を浮かべていた。公開時は20館程度での上映だが、劇団結成35周年という記念の年。多くのファンが待ち望んでいた作品だけに、集客も期待できるだろう。
(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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