俳優の役所広司が、新作映画『銀河鉄道の父』で主演を務める。共演は菅田将暉、森七菜。それぞれ映画初共演を果たす。監督は成島出。
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菅田将暉「役との出会いはいつも不思議な縁」
原作は、門井慶喜が大量の宮沢賢治資料の中から父・政次郎について書かれた資料をかき集め、宮沢賢治の生涯を、父親の視線を通して活写する、究極の親子愛を描いた小説。第158回直木賞を受賞している。
そんな同作を今回、約6年かけて映画化。主演・役所が演じる政次郎は、父の代から富裕の質屋を営み、家業と一家の主人として、責任感と情熱のある明治の男。長男・賢治が生まれると、明治の男には珍しく子育てに熱心で子供にはめっぽう甘い一面を見せる。
菅田は宮沢賢治役を短髪坊主頭で挑んだ。本来は長男として質屋を継ぐのだが、それに反発し、学力もないのに学問の道へ進み、さらには商人家系にもかかわらず農業や宗教の道に進みたいと、親泣かせの我が道を行く息子。父・政次郎と長男・賢治の、人間味あふれる親バカ・ダメ息子のユーモアと苛烈な闘いの日々を送る。
森七菜は、そんな2人がお互いうまくいくように指南するなど、賢くしっかり者の妹トシ役を演じる。
出演にあたって役所は「原作に、宮沢賢治の父政次郎のことを『厳格だが、妙に隙だらけの父親だ』というような一文があり、これを手がかりに息子であり、作家宮沢賢治の大ファンの男を演じてゆこうと思いました。また、この人物を作り上げるために『花巻弁』を聞き取れるギリギリまで攻めてゆけば強力な武器になると信じ頑張りました。成島組に集まったスタッフ、キャスト、素晴らしいチームでした!」とコメント。
菅田は「クランクイン前に、岩手県花巻市に行きました。町の至るところに、宮沢賢治さんの言葉や生きた証が残っていて、その残り香を感じることができました。ひとりの生き様が約100年後の今なおこれほど土地に影響を与えている。そして、その言葉や思想、物語は海を渡り世界中に伝わっている。あらためてそんなことを思うと、あまりにも大役で身が引き締まる思いでした。しかし今回はその家族のお話です。賢治の父や母、妹、弟、祖父、家族との時間がいかに彼の人生にとって大切であったか。偉大な作品の裏側を想像すると、ひとりの何者でもない青年にも見えてきました。役との出会いはいつも不思議な縁を感じますが、今回ほど出会えて良かったと思わされた現場も珍しいように思います。過不足なく演じることは不可能かもしれませんが、自分なりに宮沢賢治と真摯に向き合わせて頂きました」と語っている。
『銀河鉄道の父』は2023年のゴールデンウィークに公開予定。
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