戦争中、貧しいながらも懸命に育て上げた7人の子どもを次々と兵隊にとられ、そのたびに子どもの数だけ桐の木を植え、無事に生きて帰るのを待つ母親・田村ミツ。送り出したくないのに万歳と送り出す母の姿も涙を誘う感動作が『おかあさんの木』だ。
この映画で主人公の田村ミツを演じる鈴木京香が「70年前、家族と離れて1人戦場へ旅立った子どもがいたこと、子どもを断腸の思いで見送り、帰りを待ち続けたおかあさんがいたことを、子どもたちに知ってほしい」との思いで、5月14日より物語の舞台となった長野県上田市の小学校で読み聞かせをスタートしたことはすでに報じたが、5月21日に最終訪問地であった広島を訪問した。
広島で訪れたのは、爆心地から一番近くに建ち、平和資料館を敷地内に有する“広島市立本川小学校”。そこで5年生67名を前に感情をたっぷりと込めた読み聞かせを行った。
また、鈴木は、「本川小学校のみなさんは『戦後70年』ではなく『被爆70年』っておっしゃるんですね。この土地の方たちは当時、大変な思いをなさりながら一生懸命やってくださった方々のために、その時の記憶と事実を少しずつでも後世に伝えていく役目があると思います。私が思う平和は、こうやってみなさんと楽しく笑ったり、みなさんにとっては、学校に行って勉強したり友だちと遊んだり…。そういう何気ない毎日が平和なんだと思います。そういうことができなかった子どもたち、大人たちが2度とそういうことがないように、みなさんと一緒に私も日本中の人、世界中の人に平和の大切さを訴えていきたいと思います」と語った。
その後、今回の読み聞かせで訪れた5つの小学校からそれぞれ200羽ずつ贈られた折り鶴、合わせて1000羽を“千羽鶴”として、平和記念公園内にある原爆の子の像に奉納。児童4人と平和への祈りを捧げ、今回の読み聞かせキャンペーンを締めくくった。
『おかあさんの木』は6月6日より全国公開となる。
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