10月19日はイクメンの日。「父(10)さん育(19)児」と読む語呂合わせから決められ、男性の育児休暇を推進すべく、パパが育児を楽しみ、頑張る日として制定された記念日だ。
今やイクメンという言葉も聞かなくなるほど、男性が育児をするのは当たり前の時代となってきた。会社によっては男性の育児休暇が取りづらいなど、まだまだ課題は残るが、「イクメン」という言葉が浸透し始めた2010年頃と比べると、随分と世の中は変化したのではないだろうか。今日は、イクメンの日にちなみ、パパが育児に奮闘する2作品を紹介したい。
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妻に出ていかれたブラック企業勤めのパパは…『パパは奮闘中!』
オンライン販売の倉庫でリーダーとして働く夫・オリヴィエ。ある日、突然妻が姿を消し、仕事をしながら2人の子どもの世話に追われることとなる。
妻がいなくなった原因ははっきりと明かされないが、恐らく仕事とワンオペ育児の両立に疲れ果てた末の家出だ。仕事にかまけて妻に育児を任せきりにしていたオリヴィエに責任はあるものの、オリヴィエの職場はいわゆるブラック企業。仕事の大変さも映し出されるので、あながちオリヴィエだけが悪いとも言い切れない。
邦題の雰囲気から、ついコメディ寄りのホームドラマかと思ってしまうが、フランスの労働環境にも焦点を当て、現実的な問題をしっかりと描いている。不器用ながらも家族に向き合おうとした父と、子ども2人の爽やかなラストシーンは必見だ。
パパの成長物語から一転、法廷劇に!?『クレイマー、クレイマー』
続いて紹介するのは、こちらも「仕事が忙しくて家庭を蔑ろにしていたら、突然妻が出て行ってしまった」映画だ。1979年の作品で、ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープが夫婦役で出演している。
突如妻に離婚を突きつけられ、出ていかれてしまった夫・テッド。戸惑いながらも5歳の息子ビリーとの2人暮らしが始まり、仕事に追われる中でビリーの食事の用意や送り迎えを行うように。徐々にビリーとの距離が縮まり、ケンカしながらも立派な“パパ”になっていく様子が微笑ましい。
そんなホームドラマから、物語は一転して法廷劇へ。なんと、妻・ジョアンナが養育権を主張してテッドを提訴してきたのだ。タイトルである『クレイマー、クレイマー』は、夫婦の姓である「クレイマー」が裁判で争うことを意味している。
結果はジョアンナの勝訴となるのだが、この事実を知った時のビリーの演技は涙なしでは見られない。本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞したダスティン・ホフマンはもちろんのこと、出番は多くないながらも、表情でビリーへの思いを感じさせるメリル・ストリープの演技にもぜひ注目して見てほしい。(Y)
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