台湾映画『共犯』(7月25日より公開中)でヒロインを演じたヤオ・アイニンの緊急来日を記念して、7月23日に虎ノ門・台湾文化センターで写真家・川島小鳥、映画評論家の松崎健夫、映画解説者の中井圭とアイニンが登壇するトークショーが行われた。
・台湾の美少女ヤオ・アイニンが映画『共犯』のプロモーションで緊急来日!
本作は、視覚障害をもつピアニストを描いた初監督作品『光にふれる』が世界中の映画祭で絶賛されたチャン・ロンジー監督の第2作目。3人の男子高校生がある朝、通学途中に偶然同じ時刻に通りがかった路地で、同じ学校の女生徒シャーが自殺しているのを発見し、死の真相を探り始めるというストーリー。物語のキーとなる自殺した女生徒シャーを演じたアイニンは、影のある表情で圧倒的な存在感を放っている。
友人に薦められて受けたというオーディションで女優デビューをはたしたアイニンは、ほかのキャストが1ヵ月間の稽古後に役が分けられていったのとは対照的に、監督との1回の面接だけでヒロイン役に決まったという。本作について「暗く残酷な部分もある映画だけど、見終って映画館を出るときは温かい希望と、人生のすばらしさを感じていただけると思う」と映画デビュー作となる『共犯』の魅力を伝えた。
そんなアイニンがまだ素人だった頃に見出し、シャッターを切り続けてきたのが川島だ。その後、3年間に渡って台湾に通い撮影し、第40回木村伊兵衛賞を受賞している写真集「明星」には被写体として彼女のカットが数多く登場する。
その川島は、久しぶりに会ったとき、映画の撮影をしていると聞いてびっくりしたとアイニンについて語り、「水が苦手なのに潜ったり、たばこを吸う練習をしたと聞いて映画を楽しみしていた」と明かすと、完成作をすでに台湾で見ていたようで、「彼女が素晴らしい映画にでていて良かった」と絶賛。アイニンも「監督に伝えておきます」と嬉しそうな表情で応えていた。
また、女優としてデビューした後のアイニンについて川島は「ピピちゃん(アイニンの愛称)の心の中に火が灯ったと思いました」とその変化を語ると、「『明星』を撮影した頃は、自分でこうしたいとかこうなりたいというガッツはなく、ただ純粋なかわいい女の子として魅力的だった。(その後)彼女はデザインを勉強したり、いろんなことをやっていた。裏方気質もあるから、みんなで映画を作りあげて楽しいと思ったんじゃないかな」と映画撮影を機に変化した彼女の意識を分析した。
これを受け、アイニンは照れながらも「水のシーンや、飛び降りるシーンも本当はすごく怖かった。でも頑張ってチャレンジしてやり遂げた。みんなで力を合わせて作りあげることができて楽しかった」と満足げに振り返ると、今後の活動について「私もこの映画のスタッフも日本が大好きです。日本で仕事がやりたいです」と日本語で話し、会場からは温かい拍手が送られていた。
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