(…前編より続く)
○【3位予想】『S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』
TBS系で放送された連続ドラマ『S エス-最後の警官-』の劇場公開版。向井理、綾野剛、新垣結衣、吹石一恵、大森南朋らドラマ版のキャストらが集結。宿敵との最終決戦がダイナミックな映像で描かれる。
テレビドラマの劇場公開版、東宝配給、捜査モノという縛りで参考作品の数字をみていくと、『映画 ST赤と白の捜査ファイル』(15年/平均視聴率11.3%)が全国292スクリーンで動員15万人、興収2億円で3位。『ストロベリーナイト』(13年/平均視聴率15.3%)が全国311スクリーンで動員24万人、興収3億1000万で1位。『SP 野望篇』(10年/平均視聴率15.4%)が全国394スクリーンで動員40万人、興収5億3000万で1位。『劇場版 ATARU THE FIRST LOVE&THE LAST KILL』(13年/平均視聴率15.6%)が全国304スクリーンで、動員28万9000人、興収3億5000万で1位と外れがない。
上映館数は約320館。ドラマの平均視聴率は14.1%と上記作品とほぼ遜色はない。8月11日に行われた完成披露試写会では、向井理、綾野剛、新垣結衣ら、若手人気俳優たちが、現場の一体感をアピール。チームワークによる作品の出来の良さを強調した。集客力を持っているキャストたちの共演、20−25万人は最低ラインか。
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△『劇場版 弱虫ペダル』
人気コミックをアニメ化した『弱虫ペダル』の完全新作劇場公開版。原作者・渡辺航が原案を担当。オリジナルストーリーで展開される。
これまで『弱虫ペダル Re:RIDE』(14年)、『弱虫ペダル Re:ROAD』と2作品が劇場公開されているが、どちらも小規模公開ながら11位、14位と大健闘している。今回は完全新作として登場。ファンにとっては待ち望んだ作品だ。上映数は約80館と少ないが、アニメの爆発力は侮れない。ランクインも十分期待できる。
【注目シネマ】
×『ロマンス』
『ふがいない僕は空を見た』のタナダユキ監督が大島優子を主演に迎えて描いたオリジナル作品。ロマンスカーのアテンダントとして働く女性を主人公に、車内で起こった出来事から思わぬ事態に発展するエピソードをハートフルに描いた物語。
スタート時の上映館数は15前後と小規模公開だが、大島優子のAKB48卒業後初主演という触れ込みはなかなか強い。さらにタナダユキ監督自身に一定のファンが多く、スクリーンアベレージは高そうだ。8月13日にはジャパンプレミアが行われ「裸の芝居ができた」とドッキリ発言で、メディアを騒がした。(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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