寺島しのぶ、剃髪シーンは「プレッシャーでしかなかった」 豊川悦司は「剃った後の頭に呪文が書いてあったら面白いね」とジョーク
寺島しのぶが11月12日、都内で映画『あちらにいる鬼』の公開記念舞台あいさつに豊川悦司、広末涼子、廣木隆一監督とともに登壇。剃髪シーンについて語った。
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寺島しのぶ「3人同じ場所でお酒を飲みながらワイワイ楽しく見てくださっていたら嬉しい」
コロナ禍の影響で延期されていた撮影が今年5月にようやく開始し、念願の公開初日を迎えた本作。文学に導かれ求め合う主人公・長内みはる(のちの寂光)役の寺島は「この映画を見終わって、人と人との縁(えにし)や出会った人たちが死ぬまで絡んでいくということは尊くて愛おしいものだと思った」と感想を述べた。
妻・笙子がいながらもみはるに惹かれる白木篤郎役を演じた豊川は「コロナ禍もありクランクインまでには時間がかかりましたが、普通の映画で考えると撮影から公開まで早いスピードで皆さんにお届けすることができた」と封切りを喜び、「普通だったらほかの作品を2本くらい挟んでいるので、撮影当時の状況はまったく覚えていなくてデタラメを言ったりする自分がいますが、この映画の場合は撮影の日々をしっかりと記憶することができています。とても充実した撮影期間でした」とジョークを交えて報告。
篤郎の妻・笙子役の広末は「皆さんが阿吽の呼吸で芝居をされていて、安心感のある現場でした。私はそこにいればいいだけで、廣木監督が引っ張り出してくれた感覚があります」と話した。
出家シーンでは実際に剃髪をして挑んだ寺島。剃髪に触れて「廣木監督とやるからには廣木さんのために剃るかと…。監督も剃髪をしているようなものなので、『僕もいるから』みたいな感じで励ましてくださいました」と笑わせ、「豊川さんは『剃った後の頭に呪文が書いてあったら面白いね』とピリピリしている中でも柔らかい言葉をかけてくださって、広末さんは剃った後の頭をクリクリと触ってくれたりして楽しかった。実際に剃ったことでより心の動きを感じとることができて、剃って良かったと思います」と納得の表情だった。
すると豊川は「絶対彼女だったらやるだろうと思った。とても男前の人なので。ウジウジと言っていた時期もありましたが、そう言いながらも結局はやるだろうなと」と確信を込めて、廣木監督も「絶対やるだろうとみんなが思っていた」と明かすと、当の寺島は「それがもうプレッシャーでしかなかったんですよ!」とツッコんだ。広末には「良い頭の形をしていて、気持ち良くて…! 精神的にも肉体的にも大変な役だったと思いますが、剃髪後のみはるはまるで少女のようでした」と好評だった。
豊川演じる白木は、2人の女性の間を行き来するキャラクター。豊川は「撮影でもふたりの間を行き来していたので、今日はどっちだっけ? と思ったりして…。“あちらにいる女優”じゃないけれど、そういうことは今まで経験したことがなかったので、必然的に白木篤郎という人の気分になっていましたね」と設定を通して役柄を理解していったと語った。
寺島は「映画での豊川さんは白木篤郎にしか見えず。豊川さんでなければ誰ができるの? というくらいに凄いと思った」と絶賛。広末も「カットがかかった後に豊川さんは『ごめんね』とおっしゃってくれて。白木篤郎とはこんなに違う人なのに、役だとそのものの雰囲気を出せるのかと…。不思議な経験をさせていただきました」と成り切りぶりに舌を巻いていた。
公開直前の11月9日は瀬戸内寂聴さんの1回忌。なんと、同じ墓地に眠っているという井上夫妻と寂聴さん。天国にいる3人に向けて広末は「きっと笑いながらこの映画を見てくれていると思う」と期待し、豊川も「懐かしく思って見てくださっていると思う」としみじみ。主演の寺島も「3人同じ場所でお酒を飲みながらワイワイ楽しく見てくださっていたら嬉しい」と思いを馳せた。
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