キャスティングにも問題点はいっぱい
(…前編より続く)社会現象まで巻き起こし、テレビシリーズも劇場版も大ヒットした『あの花』の通称で知られる『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』。監督、脚本、キャラクターデザインが再び結集した『心が叫びたがってるんだ。』がこの秋に公開され、再び注目が集まっている。さらに『あの花』実写ドラマも製作され、フジテレビで放送されたが、早くも製作発表時点で原作ファンは実写ドラマ化に不安を募らせて炎上していた……。
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なかでも実写化されたときに槍玉に挙げられるのはキャスティングと実写化イメージだ。やはり、めんまの黒髪はファンにとって気になるところ。アニメ版では銀髪のクオーターで、見た目が変わっているからクラスに溶け込めなかったという過去がある。だから重要ではあるが、髪だけ銀髪に染めてもサムいだけだし、演じる浜辺美波はしゃべり方を研究したというだけあってふわふわしたつかみどころのない口調はめんまのイメージから大きちく離れてはいない。
しゃべり方で言うと、じんたんはいまひとつ。扮する村上虹郎の声はかわいく張りがあるから、引きこもりである覇気のないじんたんらしさが出てないのだ。
あと、言いたいのはゆきあつだ。演じるのは戦隊ヒーローもの『烈車戦隊トッキュウジャー』の主演、トッキュウ1号役の志尊淳。こちらはアニメ版に寄せて茶髪にしてるが、甘いマスクの上に茶髪ではチャラく見えるだけ。おまけに高いトーンの声で、冷徹な優等生でいて心に歪みを持つゆきあつに見えないのだ。そうそう、ギャル化したあなるもギャルに見えないし。唯一しっくりくるのは、じんたんのお父さん役の小日向文世が『木更津キャッツアイ』の役柄同様、優しくしなやかでアニメ版を彷彿とさせるぐらいだろう。
そのようにキャストの違和感を感じつつ見ていると、序盤から展開が早かったが、さらにどんどんと加速して進んでいき……。(後編へ続く…)(文:小野田礼/ライター)
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