目が見えず、耳が聞こえないという難役に挑戦
公開中の感動作『桜色の風が咲く』の“感謝イベント”トーク&ティーチインが11月19日、渋谷のユーロスペースで開催され、俳優の田中偉登と松本准平監督が登壇した。
・田中偉登インタビュー「歴史の教科書の偉人を見るような感覚でした」
本作は、9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも、盲ろう者として世界で初めて大学教授になった東京大学先端科学技術研究センター教授・福島智さんと、その母・令子さんの実話をもとに描いた物語。母・令子さんを小雪が、智さんを田中が演じた。
この日の催しは、田中の念願として、過去50年にわたり聴覚障碍児の検査・診断・教育/療育に携わってきた耳鼻科医・田中美郷氏が所長を務める聴覚・言語・コミュニケーションに課題のある子どものための教育機関・田中美郷教育研究所に通っている聴覚障害を持つ方と、その家族を招待して行われた。
映画は聴覚障害の方のために字幕付きのバリアフリー上映として行われたが、田中は「こういうテーマを映画にしたことで、これからバリアフリー上映がいろいろな映画館で増えていったらいいなと思います」と思いを語る。
目が見えず、耳が聞こえないという役に挑んだ田中。役作りのため、福島さんと会ったというと「目が見えなくなったとき、耳が聞こえなくなったときのお話は、とても役を作るうえで参考になりましたが、それ以上に福島さん自身が明るい笑顔で、ユーモアたっぷりにお話してくださる姿が印象に残ったんです」と語ると「悲しいお話をしているのに、どうしてこんなに明るくできるんだろうと考えたとき、笑顔の隙間から、つらい思いがにじみ出ている瞬間を感じたんです。福島さんを演じるうえで、笑顔プラスアルファの部分が、とても参考になりました」と役へのアプローチ方法を述べていた。
松本監督は、本作を企画した理由について「僕は『パーフェクトレボリューション』という障害者を題材にした映画を作ったことがあるのですが、その際、福島さんと対談し、そのチャーミングさと聡明さに魅了されました。さらにお母様のことも知り、これは映画になると思ったんです」と語った。
この日は客席からの質問に答えるコーナーも。さまざまな感想や質問が飛び交うなか、小さな子どもが「福島先生の映画が楽しかったので、また見たいと思います」と感想を述べると、田中は「本当に嬉しいよ、ありがとう」と感無量な表情を浮かべていた。
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