11月15日に自宅のベッドで亡くなられていることが発見された俳優の阿藤快(本名・阿藤公一)さんの訃報を受け、映画としては遺作で、11月7日より全国順次公開中の映画『シネマの天使』のキャスト・スタッフからの追悼コメントが寄せられた。
本作は、広島県で122年の歴史を持ち、2014年8月に閉館した映画館「シネフク大黒座」を舞台に、閉館に向けて揺れるスタッフや常連客との交流を描いた人間ドラマ。阿藤さんは大黒座の映写技師・大久保役を演じている。
この映画館の新入社員・明日香役を演じた藤原令子は「先日、映画の舞台挨拶でご一緒した時は、いつも通り元気なお姿でしたので、すごく驚いています。映画の撮影の時も、いろんな場所に行ったことや、映画館の話などたくさんお話して頂き、本当に楽しかったです。また、いつも私のことを絶対すごい女優になると仰って頂いていたのをスタッフの方からお聞きしていました。すごく嬉しく、励みになりました。その阿藤さんの言葉をしっかり叶えていけるよう、日々精進します。有難うございました。ご冥福をお祈りいたします」。
バーテンダーとして働きながら映画監督の夢を持つアキラ役に扮した本郷奏多は「つい先日までご一緒にお仕事をさせていただいて、優しく温かい阿藤さんのお人柄に助けられておりました。お元気そうに見えたので、突然の訃報に驚きを隠せません。素敵な先輩であり、大好きな俳優さんでした。心よりご冥福をお祈り申し上げます」。
大黒座の支配人・藤本役を演じた石田えりは「一緒にいて、何も隠さなくてもいいと思える人でした」と、それぞれコメント。
また、阿藤さんとは長年の付き合いというプロデューサーの益田祐美子は「頭の回転が速く、どんな状況でも相手の気持ちを思いやり、旅番組からゴルフ番組まで全力疾走、でも最後は俳優阿藤快。シネマの天使では、映写技師の心の動きを体全体で演じ、涙とともに“天使”になって旅立ちました。『なんだかな〜』どうしてこんなに早く立ったの?」
時川英之監督は「阿藤快さんの突然の訃報に愕然としています。つい先月、『シネマの天使』の完成披露試写でみんなで一緒に舞台挨拶をさせていただいたばかりです。その時に、『映画の中で、阿藤さんが声を出さずに泣くシーンで沢山の観客の方が泣かれるらしいんですよ』と、お伝えしたら『そうか、良かったよ』と、阿藤さんは嬉しそうにしておられました。映画が大好きな映写技師を演じていただきました。その大きな体から放つ圧倒的な存在感と、そこからにじみ出る映画愛がありました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます」との言葉を寄せている。
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