【今日は何の日】ジョンの命日に“ビートルズになる前のジョン・レノンに逢える映画”が公開
12月になると巷に数多のクリスマスソングが流れ始めるが、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの「ハッピー・クリスマス(戦争は終った)」には一種独特の哀愁を感じる。この曲を聞くと、街中がクリスマス気分で浮足立つこの時期に、ジョン・レノンが突然この世を去ったという歴史的事実を思い起こさずにいられないからだ。今回は、ジョンの命日である12月8日に公開のドキュメンタリー映画『ジョン・レノン~音楽で世界を変えた男の真実~』をご紹介する。
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ジョン・レノンのファンならずとも必見! 未公開映像や資料の宝庫
本作は、英国ナショナル・フィルム・アワードで最優秀ドキュメンタリー映画賞にもノミネートされた、秀逸にして大変興味深いドキュメンタリーである。たとえ、特別ビートルズやジョン・レノンのファンでなかったとしても、だ。アートスクールに通っていたジョンの手による達者な風刺画や、幼少期を含むビートルズ結成前の写真といった多数の貴重な資料、ビートルズ結成前のジョンと交流があった友人知人のインタビューなどで構成されており、「ビートルズのジョン・レノン」というより「リバプール出身の1人の英国人男性」としての素の部分を深堀りしている。
両親の元でぬくぬく育ったというわけではなく、叔母ミミーの元で大半の少年期を過ごしたジョンの肉声による、「自分は両親にとって要らない子」で、幼少期の環境は人格形成に大きな影響を与える、という発言が作品を通してずっと心に引っかかる。44歳でこの世を去ったジョンの母ジュリアについて触れるシーンでは、バックにジョンが母を題材に作ったビートルズナンバー「ジュリア」が流れるのも切ない。
意外と悪評? 友人知人が語るジョンという男の素顔
一般に故人について語られるときは、「やさしい人だった」「思いやりがあった」など誉め言葉が並ぶものだが、ジョンに関してはどうもそうではないようだ。ジョンと近しかった人々が彼について語るのを聞いていると、頭がキレて口も立つが、皮肉屋のひねくれ者でできればあまり関わりたくない、といった「厄介者」としての人物像が浮かんでくる。かといって彼らは悪口を言っているわけではなく、独特のユーモアのセンスがある一緒にいると楽しい人、と思っていたようである。
だが、子ども時代の生い立ちの影響か、若かりし頃のジョンは明らかに「心が荒んで荒れ気味だった」ことは間違いないようだ。友人の口から語られる最初の妻シンシアに対する心無い仕打ちや、「ジョンが後年ボランティア活動に執心したのは若い頃の悪行を埋め合わせするため」といった発言から、それをうかがい知ることが出来る。1人の人間として生々しいジョン・レノンに触れる、大変興味深い作品に仕上がっている。(T)
『ジョン・レノン~音楽で世界を変えた男の真実~』は、2022年12月8日より全国順次公開。
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