黒木華、糞尿処理に携わる男たちと出会い心通わせる…? 江戸時代のライフスタイル描く意欲作は「今の時代に繋がる尊さがある」
黒木華主演、寛一郎と池松壮亮が共演する『せかいのおきく』より、本作のファーストルックとキャスト・監督のコメントを紹介する。
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阪本順治監督の最新作は「糞ったれ青春時代劇」!?
名匠・阪本順治が自身のオリジナル脚本を映画化した本作。主演はその卓越した演技力でもはや日本映画界に欠かせない存在となった黒木華。共演には、祖父に三國連太郎、父に佐藤浩市を持ち、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では歴史に残る大事件の実行犯・公暁役で話題となるなど、鮮烈な眼差しが見るものを虜にする寛一郎。そして、数々の主演作で日本映画界を牽引し、『シン・仮面ライダー』の公開も控える池松壮亮。
本作の舞台は日本が世界の渦に巻き込まれていく江戸末期。寺子屋で子どもたちに読み書きを教えている主人公おきく(黒木)は、ある雨の日、厠(寺所有の公衆便所)のひさしの下で、雨宿りをしていた紙屑拾いの中次(寛一郎)と、下肥買いの矢亮(池松)と出会う。
武家育ちでありながら今は貧乏長屋で質素な生活を送るおきくと、古紙や糞尿を売り買いする最下層の仕事につく中次と矢亮。侘しく辛い人生を懸命に生きる3人はやがて心を通わせていくが、ある悲惨な出来事に巻き込まれたおきくは、喉を切られ、声を失ってしまう…。
公開されているのは、ファーストルックとしての3点の場面写真。貧乏長屋の小路で空に拝むおきく。商売の種となる貴重な糞尿を担いで畦道をひた走る中次と矢亮。そして厠のひさしで雨宿りをする三人。全編が主に京都撮影所(東映・松竹)で撮影された、墨絵のように美しく、鮮烈なモノクロ映像で綴られる本作のただならぬ風格と、近年日本映画の最高傑作と呼び声高い、その気配を早くも感じさせる。
黒木は本作について、「深々と降る雪のシーンから撮影が始まりました。美術がとても素晴らしかったことを、今でも強く印象に残っています」と撮影を振り返り、「『せかいのおきく』、この題名に込められた阪本監督の思いが、より多くの方に伝わるよう、おきくを演じられていたらと思います。今の時代に繋がる尊さがある作品になっていると思いますので、沢山の方に見ていただけると嬉しいです」とコメント。
寛一郎は「青春。それは、恋とせかいとうんち。阪本順治最新作お楽しみに」、池松は「自然と共に生き、空と人と情緒があったこと、祈りがあったこと。貧しくも瑞々しく生きる人々の映画です。今を生きる多くの人々に届くことを願っています」と、それぞれコメントを寄せた。
また、阪本監督は「江戸時代における食のサイクルを基軸として、没落した武家の娘と、糞尿の処理に携わる賤民たちを主人公に、低い視座から社会を眺めるだけではなく、“汚い”ところから世界をえがこうとする意欲作。しかも軽妙に、しかし美しく、だ。名付けて、糞ったれ青春時代劇!」と手ごたえを見せている。
『せかいのおきく』は2023年4月28日より全国公開。
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