岸井ゆきの、初のボクサー役で臨んだ高速ミット打ちシーンは“即興”! トレーニングの裏側明かす
岸井ゆきのが主演作『ケイコ 目を澄ませて』の先行特別上映会に参加。この度、岸井のトレーナー役で出演し、本作のボクシング指導も務めた松浦慎一郎、特別ゲストである南海キャンディーズ・山崎静代と共に登壇し、本作について語った。
・岸井ゆきの、闘志むき出しのボクサー役で別人級6種類の表情を魅せる!?
ケイコのモデル・小笠原恵子の言葉に岸井ゆきのは思わず涙
「三大映画祭のベルリンに作品が届いたのもそうだし、フィルムで撮る映画の現場に入るのも私の夢でした。『ケイコ目を澄ませて』は私にとってとても大切な作品で、私の夢を叶えてくれた作品。私の夢と魂の籠った作品が公開されるのが嬉しいです」と現在の心境を語る岸井。
主人公ケイコのトレーナー役として出演し、本作のボクシング指導も務めた松浦は、岸井との高速ミット打ちシーンについて「ある程度のベースは決まっていたけれど、流れは決まっていなかった。岸井さんはどの手が来るのかわかっていなかった」と、即興だったという驚きの舞台裏を明かすと、山崎は「あれを自然に瞬時にやっていたんや。すげえ…」と驚愕する。
これまで数多くのボクシング映画に関わってきた松浦が「正直、岸井さんは一番ボクシングから遠い人だったけれど、一番努力して一番頑張った人」と明かすと、山崎は「それをよくぞあそこまで…凄い」と岸井の努力の結晶を賞嘆していた。
岸井はボクシング初挑戦となったが「ボクシングトレーニングを積んでいくうちに、これは自分自身との戦いだとわかる瞬間がありました。ボクサーならではの縄跳びができるようになっていく瞬間、パンチが強くなっていく瞬間、パンチが早くなっていく瞬間。それは私が練習しているからこそ習得できたもの。それを実感してからはボクシングが好きなりました」とボクシングが持つ魅力にどっぷりとハマった様子。
またケイコとの共通点について岸井は、“口数が少ない”点を挙げて「ケイコは手話言語を使ってもお喋りな方じゃない。私もプライベートではお喋りじゃないし、頭で考えて言葉になっているときにはもうその話題は終わっている。でもそれを発散するために私は文章を書きます。ケイコも同じように文字で発散するので、その気持ちが理解できました」と共感を寄せながら「共感というよりも、もはやケイコの目線でものを見ている感覚がありました。ケイコは私だと思っていました」と語った。
イベントの最後に登場したのは、ケイコのモデルであり、ろう者の日本人女性で初めてプロボクサーとなった小笠原恵子。小笠原は、手話通訳を介して「昔の自分を思い出して涙が出ました。映画を作る前に岸井さんとは一度も会ったことがないのに、私の行動や表情が似ていて凄いと思った。初めて邦画を見て素晴らしいと感じました」と絶賛。
この言葉に岸井は「本当に嬉しいです」と目に涙を浮かべながら「ゼロ号試写の時に2人で号泣して『今度一緒にボクシングをやろう!』と約束をしました」と話した。
最後には、「この映画はボクシングを基にして物語を作っているけれど、ケイコの生き方の物語だと思っています。ケイコと生き方は違うかもしれないけれど、この時代に共に生きているという共通点から皆さんに何かを感じていただければと思います」と岸井がメッセージを伝え、イベントを締めくくった。
『ケイコ 目を澄ませて』は12月16日より全国公開。
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