詩人・萩原朔太郎を父に持つ作家・萩原葉子の小説「天上の花―三好達治抄―」を映画化した『天上の花』が公開。ムビコレでは、東出昌大のインタビューを掲載中だ。
現在は「小屋建ててます」…“狩猟生活”についても語る
朔太郎を師と仰いだ詩人・三好達治を幼い頃から知る著者が、彼女の叔母に対する達治の強烈な愛の顛末を綴った一章「慶子の手記」を中心に、達治が長年恋焦がれた慶子と越前三国で一緒に暮らし始めた日々を描く。何よりも大切な存在なはずなのに、達治は自分を振り回す奔放な慶子と衝突を繰り返し、やがて暴力を振るうようになっていく。
本作で、一途ゆえに苦しみ、相手も自分も傷つけていく達治を演じた東出。「役と東出は結構違うので。もう今後なにも怖いものはないかなと思います」と、役を引き受けた心境を語る。一瞬「上辺だけでただ面白おかしく扱おうとする人もいるのではないか」という考えもよぎったのかもしれない…そう話す東出だが、「作品に向かう純粋な気持ちには嘘はないので、全力でお芝居をするということでいいのかなと思います」という言葉からは、俳優としての“覚悟”が伝わってくる。
共演者である、慶子を演じた入山法子とのシーンについては、「すぐ二人三脚みたいな感じになったように思います」と東出。暴力的なシーンが多い本作の中で、殴る演技は“ふり”であったというが、「叩かれた後の慶子の顔がガラっと違うぐらい、入山さんもすごい覚悟を持ってこの芝居に臨まれてたと思うんです」と明かした。
愛がゆえに男が女を殴る、ということについて東出は、「僕はしたことがないし、殴ってそれが愛だと言ってる人の心理は今までは信じられなかったんです。でも人の愛って、やっぱり分かり得ないじゃないですか」と、達治を演じる中で思ったことを話す。
また、自身の狩猟の経験から、「親子の鹿がいた時に、親鹿を捕ると子鹿がその周りで鳴いてたりするんです。これは愛なのか、お母さんがいないと生存できないが故に本能的に鳴いてるのか」と語り、「愛ってなんだろうな、と思いながら、それでも僕は身近な好きな人や友人に鹿肉を振る舞って、みんなで食べて『うまいうまい』と言ったりしてる。なんでしょうね、愛って。愛って難しいですね」と、考えても答えの出ない“愛”について話した。
最近、山暮らしをしているという東出。「小屋建ててます。もう屋根は終わって、だから柱と屋根終わったので、あと内側の床を張って、流しを入れて、かまどはあるので、あと壁をつけて完成です。この冬のうちにやりたいなと思ってます」と現在の暮らしについて語るほか、インタビューでは狩猟生活のきっかけや思いについても話している。東出昌大のインタビュー全文はこちらから!
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