最多ノミネート作は『イニシェリン島の精霊』
来年1月発表の第80回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが発表され、日本から湯浅政明監督の『犬王』がアニメーション作品賞にノミネートされた。
映画会社としてはディズニーが17ノミネートを受け、映画会社の中で今年度最多の候補者数を獲得した。
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ハリウッド外国人記者教会(HFPA)の投票によって決まるゴールデン・グローブ賞は毎年アカデミー賞の前哨戦で注目を集める賞の1つ。17ノミネートのうち、12は『イニシェリン島の精霊』などを手がけた傘下のサーチライト・ピクチャーズの作品だ。
最多ノミネート作は7部門8ノミネートの『イニシェリン島の精霊』で、ミュージカル/コメディ部門の作品賞、監督賞、男優賞、助演男優賞、脚本賞など主要部門にノミネートされた。
他に公開中の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』がドラマ部門の作品賞、監督賞にノミネートされ、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』が助演女優賞と歌曲賞に、ピクサー製作の『私ときどきレッサーパンダ』がアニメーション作品賞にノミネートされた。
ディズニーに続くのは、ケイト・ブランシェット主演の『タール(原題)』やスティーヴン・スピルバーグの自伝的映画『フェイブルマンズ』などが候補になったユニバーサル。さらにインディーズ系で注目作を量産しているA24が『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』などで10ノミネーションを得ている。
ここ数年、アカデミー賞をはじめ各映画賞で強さを見せてきたNetflixは『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』などで全9つのノミネートを受けている。
実はHFPAは数年前からセクシャルハラスメントや人種や性差別が問題視されており、2021年に「ロサンゼルス・タイムズ」紙がHFPAの会員数が100人に満たず、20年近く黒人の会員を新たに迎えず、2021年当時は黒人会員数が0で人種に偏りがあることを報道、一時はAmazonやNetflixをはじめ多くの大手がHFPAとの関係のボイコットを表明、2022年度は毎年恒例だった授賞式のTV中継が行われなかった。
批判を受けてHFPAは協会の規約の見直しや多様性や包摂性を意識して抜本的な改革を宣言し、新たに女性や黒人を含む新会員を迎え、2023年1月10日(現地時間)の授賞式はこれまで通り、NBCで中継される。
また、今年の全世界で大ヒットした『トップガン マーヴェリック』はドラマ部門作品賞と歌曲賞にノミネートされたが、主演のトム・クルーズは2021年にHFPAの問題が発覚した際、過去に受賞したゴールデン・グローブ賞を返上したこともあってか、男優賞にノミネートされなかった。同作を配給したパラマウントは、アメリカでも劇場公開前ながら5部門で候補となった『バビロン』もあり、全7ノミネートを獲得している。
今年はサラ・ポーリー監督がノミネートされた脚本賞、音楽賞で候補となった『ウーマン・トーキング 私たちの選択』をはじめ、高い評価を得た女性監督の作品が数多く公開されたにも関わらず、監督部門に女性の候補は1人もいない。
女性監督作品からは『The Woman King(原題)』(ジーナ・プリンス=バイスウッド監督)のヴィオラ・デイヴィスがドラマ部門女優賞に、『Good Luck to You, Leo Grande(原題)』(ソフィー・ハイド監督)のエマ・トンプソンがコメディ/ミュージカル部門女優賞に、『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』のキャリー・マリガンが助演女優賞に、さらに『ウーマン・トーキング 私たちの選択』の作曲賞でヒルドゥル・グドナドッティル、「Carolina(『ザリガニが鳴くところ』)で歌曲賞にテイラー・スウィフトがノミネートされている。
映画部門のノミネーションは以下の通り。
ドラマ部門
<作品賞>
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
『エルヴィス』
『フェイブルマンズ』
『TÁR(原題)』
『トップガン マーヴェリック』
<男優賞>
オースティン・バトラー(エルヴィス)
ブレンダン・フレイザー(『The Whale(原題)』)
ヒュー・ジャックマン(『The Son(原題)』)
ビル・ナイ(『生きる LIVING』)
ジェレミー・ポープ(『The Inspection(原題)』)
<女優賞>
ケイト・ブランシェット(『TÁR(原題)』)
オリビア・コールマン(『エンパイア・オブ・ライト』)
ヴィオラ・デイヴィス(『The Woman King(原題)』)
アナ・デ・アルマス(『ブロンド』)
ミシェル・ウィリアムズ(『フェイブルマンズ』)
コメディ/ミュージカル部門
<作品賞>
『バビロン』
『イニシェリン島の精霊』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』
『逆転のトライアングル』
<男優賞>
ディエゴ・カルバ(『バビロン』)
ダニエル・クレイグ(『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』)
アダム・ドライバー(『ホワイト・ノイズ』)
コリン・ファレル(『イニシェリン島の精霊』)
レイフ・ファインズ(『ザ・メニュー』)
<女優賞>
レスリー・マンヴィル(『ミセス・ハリス、パリへ行く』)
マーゴット・ロビー(『バビロン』)
アニャ・テイラー=ジョイ(『ザ・メニュー』)
エマ・トンプソン(『Good Luck to You, Leo Grande(原題)』
ミシェル・ヨー(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
<助演男優賞>
ブレンダン・グリーソン(『イニシェリン島の精霊』)
バリー・コーガン(『イニシェリン島の精霊』)
ブラッド・ピット(『バビロン』)
キー・ホイ・クァン(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
エディ・レッドメイン(『グッド・ナース』)
<助演女優賞>
アンジェラ・バセット(『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』)
ケリー・コンドン(『イニシェリン島の精霊』)
ジェイミー・リー・カーティス(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
ドリー・デ・レオン(『逆転のトライアングル』)
キャリー・マリガン(『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』)
<監督賞>
ジェームズ・キャメロン(『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』)
ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
バズ・ラーマン(『エルヴィス』)
マーティン・マクドナー(『イニシェリン島の精霊』)
スティーヴン・スピルバーグ(『フェイブルマンズ』)
<脚本賞>
トッド・フィールド(『TÁR(原題)』
ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
スティーヴン・スピルバーグ、トニー・クシュナー(『フェイブルマンズ』)
マーティン・マクドナー(『イニシェリン島の精霊』)
サラ・ポーリー(『ウーマン・トーキング 私たちの選択』)
<音楽賞>
『イニシェリン島の精霊』
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
『バビロン』
『フェイブルマンズ』
<歌曲賞>
「Carolina」(『ザリガニの鳴くところ』)
「Ciao Papa」(『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』)
「Hold My Hand」(『トップガン マーヴェリック』)
「Lift Me Up」(『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』)
「Naatu Naatu」(『RRR』)
<外国語映画賞>
『西部戦線異状なし』(ドイツ)
『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)
『クロース(原題)/ Close』(ベルギー・フランス・オランダ)
『別れる決心』(韓国)
『RRR』(インド)
<アニメーション作品賞>
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
『犬王』
『Marcel the Shell with Shoes On(原題)』
『長ぐつをはいたネコと9つの命』
『私ときどきレッサーパンダ』
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