三浦友和「このまま行くのでは前途は真っ暗」と日本映画界に警鐘…50年のキャリアの責任と思い語る

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三浦友和
(撮影/小川拓洋)

いま、濱口竜介や深田晃司と並び世界が注目する三宅唱監督が、聴覚障害と向き合いながらリングに立った実在の女性プロボクサーをモデルに新たな物語を紡いだ『ケイコ 目を澄ませて』が公開。ムビコレでは、三浦友和のインタビューを掲載中だ。

・『ケイコ 目を澄ませて』三浦友和インタビュー

「ケイコそのままが目の前にいた」と岸井ゆきのの仕事を絶賛

岸井ゆきのが演じるケイコは無敵の強者ではなく、不安や迷いを抱えて揺れ動くが、そんな彼女を見守り続けるのが所属するボクシングジムの会長だ。三浦は、本作で誰よりもケイコを認め、ボクシングをコミュニケーション・ツールとして彼女と深く通じ合う会長を演じた。

三浦が出演オファーを受けた決め手は、脚本だったという。「ボクシングというものを選んだ女性を、ボクシングのプロとして見つめていくという設定が、とても仕事として面白いなと思ったんですね」と三浦。

岸井とは今回が初共演だったが、「もう出来上がってきているわけです。長い時間をかけて、手話の練習もして体作りもして節制して。ケイコそのままが目の前にいた」とその仕事を評価する。

「プロボクサーに見える体作りですよね。本当に追い込んで追い込んで、プラス食事制限もして。ただ痩せるだけじゃないですから。ごまかしが利かないですからね」と、岸井の完璧な役作りに感動したことを語った。

自身のボクシングの経験については、「30代の時にちょっとやってましたけど、かじっただけ」だと三浦。ミット打ちやシャドーボクシングなどのシーンを演じる上での練習は、「大事な場面のところだけを集中的にやりました」と明かした。

今年でデビューから50年になる三浦。「恵まれて50年もできてるな、ということが、まずしみじみ思うことですね」と、自分のキャリアを振り返る。三浦は、自分自身の仕事は「完全に終活に入っている」と語る一方で、日本の映画界の“現状”をなんとかしていきたいという思いを話す。

「僕らなんか運よくやってきているだけで、運のよくない人が俳優としてつぶれちゃっているんです、既に。今の若い子たちがこのまま行くのでは、前途は真っ暗です。そういう考えの人がいっぱいいることは分かっているので、その1人として何とかしていかなきゃいけない、と。俳優やってきた責任として思っています」と三浦。インタビューでは、監督と話し合い作り上げていったシーンの裏側についても語っている。三浦友和のインタビュー全文はこちら!