【ついついママ目線】2015年ベスト5 前編/親も子も葛藤の連続なのだとしみじみした作品は?
CG満載のSF学園アクションを見ても、乙女な気持ちにさせられる青春スポーツ・アニメを見ても、ついつい作動してしまうママ目線。ママな気持ちになるスイッチを押した、今年のベスト5作品はコレだ。
第5位:『私の少女』
辺鄙な町にとばされた元エリートの女性警官と1人の少女の交流が波紋を呼ぶ社会派ドラマ。虐待や性的マイノリティ、不法移民などさまざまな社会問題を織り交ぜて描いている。部外者が上っ面だけ見てやいのやいのと騒ぐことは本当に子どもを守ることになるのか? しかしながら、当事者同士が良ければ果たして本当にOKなのか? 保護と性愛の線引きは? 名作『スウィート ヒアアフター』や、先日の児童相談所が児童を全裸にして検査したニュースに通ずるものを感じる、考えさせられる作品だ。とはいえ、繊細な問題を扱いつつ、『冬の小鳥』のキム・セロンがあまりに妖艶な少女であるために、陳腐な刺激を無駄に与えて焦点がボヤけるのが残念。
第4位:『きみはいい子』
子どもに関わる問題を丁寧に描き、ついついどころか直球で子どもを愛するという純粋な思いを感じさせる佳作。でも、「イヤって言うほど号泣してしまうだろうな……」と思って作品を見るのを躊躇していたぐらいなのに、意外とアッサリと見終わった。『そこのみにて光輝く』の星野秀樹プロデューサー&呉美保監督が映画化というので期待が高まり過ぎたのかもしれない。もっと深いものが描けたハズと思うのは欲張りだろうか。ネグレクト、児童虐待、障害児……目をそらすわけにはいかない問題だ。でも、平凡な子どもを平凡な親が平凡に育てることだって、すっごく大変なんですけど〜!と、そもそも論が渦巻いてしまったのも事実。(後編へ続く…)(文:入江奈々/ライター)
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