【ついついママ目線】2015年ベスト5 後編/親も子も葛藤の連続なのだとしみじみした作品は?
(…前編より続く)
第3位:『ハッピーエンドの選び方』
妻と老人ホームで余生を送る発明好きの主人公のヨへスケルは、延命治療に苦しむ親友のために安楽死装置を発明する。人生の最期のタイミングを自ら選択する高齢者たちの姿を見て、子どものためにはどんな最期の迎え方が最良だろうか?と疑問が頭をもたげた。自分が苦しむ姿をなるべく見せず、子どもにできるだけ迷惑をかけずに逝くことが本当に子どもにとって理想的な親の死に様なんだろうか。少しぐらい苦しんだり迷惑をかけたりするほうが、子どもは結果的には親の死をすんなりと受け止められるかもしれない。・・・死ぬまでに答えは見つけられるだろうか?
・【ついついママ目線】2015年ベスト5 前編/親も子も葛藤の連続なのだとしみじみした作品は?
第2位:『暗殺教室』
この間も知人に「こんな物騒なタイトルのマンガを子どもに読ませていいと思う?」と質問され、「これこそ子どもに読ませるべき!」と熱く説いた週刊少年ジャンプ連載のマンガが原作。まあ、暴力やお色気もあるけれど。超進学校で成績が低いがためにネガティブになってしまった子どもたちを立ち直らせるのは、人間の教師ではなく黄色いタコ型生物の殺せんせー。人間とかけ離れた見た目で、子供とは暗殺者と標的という関係性ながら、学力という物差しでしか測られて来なかった子どもの人間性を見抜き、文字通り体当たりでぶつからせてくれる。CGとギャグと突拍子もないアクションを楽しみつつ、「今の子どもには殺せんせーのような存在が必要だよなぁ」と思えてしまった。
第1位:『映画 ハイ☆スピード! −Free! Starting Days−』
ついついママ目線というコラムタイトルに相応しい1本。テレビアニメの『Free!』シリーズから好きで、見る前は乙女な気持ちで楽しもうと思っていた。と、同時にアニメとはいえ中学生にハスハスするっていうのは……とためらっていた。しかし、キャラクターたちの中学生ギャップを感じさせる姿を見ると、思わず母性的な気持ちにスイッチ・チェンジ。とくに、心優しき理解者である真琴でさえ、環境の変化に気負って空回りしている様子に、子どもにとって中学校入学がどのくらい大きいプレッシャーとなるのかを痛感させられた。中学時代は本人も親も葛藤の連続なのだ、としみじみ。
(文:入江奈々/ライター)
入江奈々(いりえ・なな)
1968年5月12日生まれ。兵庫県神戸市出身。都内録音スタジオの映像制作部にて演出助手を経験したのち、出版業界に転身。レンタルビデオ業界誌編集部を経て、フリーランスのライター兼編集者に。さまざまな雑誌や書籍、Webサイトに携わり、映画をメインに幅広い分野で活躍中。
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