2016年も元ネタを持つ映画作品がひしめき合っている。その中から悩みに悩んで厳選した期待作10本を紹介しよう。それ以外にも映画ではないが、ドラマシリーズ化されてNetflixで配信される『火花』も注目したい。お笑い好きにはたまらなく、久々に小説で嗚咽するほど号泣させられたが、やはり又吉直樹の一切の無駄のない文章の美しさがあってこそ。陳腐な物語に陥らずに映像化できるだろうか?
【第10位:『ライチ 光クラブ』】
古屋兎丸の同名コミックの映画化であるが、コミックからして原作を持っており、元ネタは飴屋法水率いる伝説的な劇団・東京グランギニョルによる舞台「ライチ光クラブ」だ。美少年たちによる耽美的で退廃的で、残酷で妖しいムードをどこまで現代に蘇らせるのか、そしてそれは通用するのか? 案外、今の世代には新鮮にうつって受け入れられるのかもしれない。しかし、“アングラ”や“シュール”ともてはやれた80年代の演劇を知る者にとっては懐かしいというより、こっ恥ずかしくて見てられないかも!?
【第9位:『僕だけがいない街』】
タイムスリップを用いた漫画は多々あれど、なかでも秀逸なストーリー展開を見せる三部けい原作の同名コミックを実写化。2016年1月からはテレビアニメシリーズが開始され、満島慎之介が主人公の青年時代、土屋太鳳が少年時代の声を担当することでも話題だが、3月公開の実写映画も満島慎之介に演じてほしかった。主人公はクールでシニカルな青年だが、実写化では藤原竜也が演じる。いつもの大見得切ったオーバーアクションが飛び出さないか、彼がどう演じるかが鍵となりそう。
【第8位:『何者』】
「桐島、部活やめるってよ」でデビューした朝井リョウが男性では史上最年少で直木賞を受賞した同名小説の映画化。『愛の渦』の三浦大輔が脚本・監督をつとめる。同じ大学に通う就活生5人の本音や嘘が交錯して関係性が変わっていくさまを描く。自意識、見栄、かけひき……ただでさえも辛い就活なのに、SNSがある世代は本当にしんどい。そのなかで、今まで生きてきておそらく初めて、「自分は何者であるか?」と向き合わなくてはいけない。この若くて蒼いヒリヒリした感覚はどのように映像化されるのか? キャスティングはどうなる?
【第7位:『ちはやふる』】
文化部系スポ根マンガの代表格と言える、競技かるたに青春をかける高校生たちの成長と恋を描く末次由紀の同名少女漫画を原作に持つ青春ストーリー。“残念美人”のヒロインに広瀬すずはハマっていないような……? 新クン(真剣佑)はイケメン過ぎやしないか? 肉まんクン、細っ! 顧問の先生、若っ! とキャスティングには物申したい。スタイリッシュでほれぼれする競技かるたシーンを極めてくれるか注目したい。2部作となる映画化は、物語上どういう配分なのかも気になるところ。
【第6位:『ずっと前から好きでした。〜告白実行委員会〜』】
クリエイターユニット・HoneyWorksの楽曲をアニメ映画化した青春ラブストーリー。当初はボカロを使用し、ネット動画を中心に若い世代に圧倒的な支持を受ける“ハニワ”の楽曲はキュンキュン系で切なく甘酸っぱい。その感覚がアニメでどう繰り広げられるのか楽しみだ。個人的な推しメン・綾瀬恋雪の名前が速報の時点ではなかったが、今は公式サイトにも名前があってますます楽しみ。(後編へ続く…)(文:入江奈々/ライター)
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