(…前編より続く)
《松竹》
昨年、東宝には大きく水をあけられてしまった感は否めないが、『ラブライブ!The School Idol Movie』の大ヒットや『天空の蜂』などの大作も多かった松竹。2016年も話題作が多く、巻き返しに期待したい。
[2016年公開予定作]
◎『超高速!参勤交代 リターンズ』
〇『秘密 THE TOP SECRET』
▲『家族はつらいよ』
△『あやしい彼女』
△『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』
△『殿、利息でござる!』
(◎:大本命 〇:対抗 ▲:一発あり △:穴で *:期待)
◎は『超高速!参勤交代 リターンズ』。意外と言っては失礼かもしれないが、前作『超高速!参勤交代』は、全国251スクリーンで公開されると初週土日動員16万人を動員し2位にランキングされた。口コミの評判もよく、最終的には15億円を超える大ヒットを記録し続編が決定。本作も佐々木蔵之介や深田恭子、伊原剛志らは続投。作品の世界観もスケールアップしている様子で、ヒットは固いだろう。
〇は、清水玲子の人気コミックを『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督が実写映画化する『秘密 THE TOP SECRET』。死者の記憶を映像化し、犯罪捜査を行う化学警察研究所を舞台にしたミステリーであり、映像化は不可能とも言われた原作。そんな難作を大友監督が実写化するということで、原作ファンはもちろん、多方面からかなり注目されている。主演の生田斗真の集客力も魅力的だ。
▲は山田洋次監督が約20年ぶりに喜劇に挑んだ『家族はつらいよ』。ある老夫婦の離婚話から大家族が右往左往する姿をハートフルかつコミカルに描いている。山田監督は12月に公開された『母と暮せば』が全国336スクリーンで公開され、初週土日動員19万7460人を記録。過去の作品も大崩れしたことはなく、安定株としてきっちりと結果を残すだろう。
以下、韓国で大ヒットしたハートフルコメディのリメイク『あやしい彼女』、人気作家・有川浩の恋愛小説を、三代目J Soul Brothers岩田剛典と高畑充希で映画化した『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』、阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子ら豪華キャストが出演する『殿、利息でござる!』などにも注目が集まる。
・【週末シネマリサーチ】前編/2016年のヒットを予想! 東宝の独走を阻止できる配給会社はあるのか!?
《東映》
3大メジャーの一つ、東映。2015年は『劇場版 ドラゴンボールZ 復活の「F」』が興収37億円と頑張ったものの、やや不調だった印象。『仮面ライダー』シリーズや『プリキュア』シリーズなど、安定した数字が見込めるコンテンツもあるが、果たして2016年はヒット作が生まれるのか……。
[2016年公開予定作]
◎『ONE PIECE FILM GOLD』
〇『さらば あぶない刑事』
▲『劇場版 遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』
△『女が眠る時』
△『珍遊記』
△『星籠の海 探偵ミタライの事件簿』
(◎:大本命 〇:対抗 ▲:一発あり △:穴で *:期待)
◎は、劇場映画第13弾となる『ONE PIECE FILM GOLD』。東映作品のなかでは最もハイアベレージが期待されるシリーズだけに、単勝元返し級の鉄板作品だ。本作では原作者の尾田栄一郎が総合プロデューサーとして参加。12年に公開された『ONE PIECE FILM Z』は全国300スクリーンで公開され、初週土日動員114万人、09年公開の『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』が初週土日動員81万9000人と過去の実績も圧倒的。2016年東映の大本命作品と言えるだろう。
〇は約10年ぶり、そして最後と銘打たれた『あぶない刑事』シリーズ最新作『さらば あぶない刑事』。伝説的刑事ドラマがついにラストを迎えるということで、ファンの間でも大いに話題になっている。10月31日から発売された前売り券は、前作『まだまだ あぶない刑事』との比較で300%超というスタートを切っている。作品内容も往年のファンにはたまらない名シーンが盛りだくさん。普段は映画を見に行かない人たちも巻き込んだ大フィーバーの可能性も。
▲は香港のウェイン・ワン監督が、ビートたけし、西島秀俊を迎え映画化した『女が眠る時』。配給元も毛色も違うが、2人が共演した『劇場版 MOZU』は、全国322スクリーンで公開され初週土日動員17万人を記録するなど集客力のある組み合わせだ。
以下、週刊少年ジャンプで連載されていた漫☆画太郎のギャグマンガ「珍遊記 太郎とゆかいな仲間たち」を松山ケンイチ主演で実写映画化する『珍遊記』、ミステリー作家・島田荘司氏の人気小説の玉木宏主演で映画化『星籠の海 探偵ミタライの事件簿』なども注目度は高い。(後編へ続く…)
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