(…中編より続く)
《ディズニー》
長くランキングに顔を出す作品が多いディズニー映画。老若男女問わず、幅広い世代が見に行ける作品を配給しており、2016年もランキングをにぎわすことは間違いないだろう。
[2016年公開予定作]
◎『ファインディング・ドリー』
〇『アーロと少年』
▲『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
△『ザ・ブリザード』
△『ズートピア』
(◎:大本命 〇:対抗 ▲:一発あり △:穴で *:期待)
◎は『ファインディング・ニモ』のアンドリュー・スタントン監督が贈る続編『ファインディング・ドリー』。『ファインディング・ニモ』は03年に公開されると、オープニングで動員90万人、興収11億という数字を叩き出し、6週連続で週末土日動員数で1位に輝いた。約13年ぶりの続編、大いに期待できると共に、全配給作品を含めても大本命級だ。
〇もディズニー&ピクサーがタッグを組んだ『アーロと少年』。隕石の衝突がなく、地球上に恐竜がいる世界を描いたファンタジー物語。製作総指揮をつとめるジョン・ラセターが「ピクサー史上最も感動的なシーン」と銘打たれた特報映像が公開され話題になった。公開は3月。春休み映画として日本中を席巻しそうだ。
▲は『キャプテン・アメリカ』シリーズ最新作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』。キャプテン・アメリカVSアイアンマンという構図が見られるトレーラーの公開以降、アメコミファンの間では話題沸騰となっている本作。過去の『キャプテン・アメリカ』シリーズは、11年公開の『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』が全国369スクリーンで公開されオープニング3日間で動員7万8000人、14年公開の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』が全国488スクリーンで初週土日動員14万2000人という数字を残している。本作への期待感は過去2作を上回りそうであり、他のアメコミ作品と比較してどんな数字を残すのかに注目が集まる。
以下、クリス・パイン主演のパニックアクション映画『ザ・ブリザード』、11年公開の『塔の上のラプンツェル』などを手掛けたバイロン・ハワード監督最新作『ズートピア』も期待できる。
・【週末シネマリサーチ】前編/2016年のヒットを予想! 東宝の独走を阻止できる配給会社はあるのか!?
・【週末シネマリサーチ】中編/2016年のヒットを予想! 東宝の独走を阻止できる配給会社はあるのか!?
《東宝東和&ワーナーブラザーズ》
2015年は、興収95億を突破した『ジュラシック・ワールド』をはじめ、『ミニオンズ』、『ワイルド・スピード SKY MISSION 』、『テッド2』などヒット作を連発した東宝東和、『アメリカン・スナイパー』や『 マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『ヒロイン失格』など洋画・邦画問わず幅広いジャンルで結果を出したワーナー・ブラザーズ。どちらも2016年の日本映画市場をにぎわせそうだ。
[2016年公開予定作]
◎『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(ワーナーブラザーズ/以下WB)
〇『ペット』(東宝東和)
▲『ミュージアム』(WB)
△『スティーブ・ジョブズ』(東宝東和)
△『テラフォーマーズ』(WB)
△『僕だけがいない街』(WB)
(◎:大本命 〇:対抗 ▲:一発あり △:穴で *:期待)
◎はDCコミックの2大巨頭が激突する『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(WB)。製作総指揮にクリストファー・ノーラン、監督はザック・スナイダー。前作にあたる『マン・オブ・スティール』(13年)は全国610スクリーンで公開され初週土日動員21万2000人、興収2億6000万という数字を残した。スーパーマンに加え、バットマン、ワンダーウーマンなども登場し、さながらオールスターの様相を呈している。当然ながらかなり大きな数字が期待できるだろう。
〇はイルミネーション・スタジオとユニバーサル・スタジオがタッグを組んだ『ペット』(東宝東和)。ご主人さまがいないとき、犬や猫たちはどんなことをしているのかを可愛らしいアニメーションで描いた作品。東宝東和の『ミニオンズ』(15年)は全国619スクリーンで公開され、初週土日動員44万9000人、興収5億4500万という好スタートを切った。その後も順調に数字を伸ばし続け興収50億を突破する大ヒットとなった。特報映像も“可愛い”と大好評。『ミニオンズ』と同等の数字を期待せずにはいられない。
▲は巴亮介の人気コミックの実写映画化『ミュージアム』(WB)。『秘密 THE TOP SECRET』同様、大友啓史監督が難しい題材の実写化に挑む。主演には小栗旬。こちらも原作はかなり人気で注目度は非常に高い。当然、現時点で賛否両論だが、ワーナー&大友監督は『るろうに剣心』シリーズと同じ。『るろ剣』も公開前は圧倒的逆風だったが、ふたを開ければ大ヒットを飛ばした。
以下、『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督が描く『スティーブ・ジョブズ』、三池崇史監督&伊藤英明の『テラフォーマーズ』、フジテレビ“ノイタミナ”枠で放送されるアニメ『僕だけがいない街』の実写映画化なども見落とせない。(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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