10代で危険な闇組織に…社会問題に斬り込むダルデンヌ兄弟監督の最新作。ベルギーへと流れ着いた偽りの姉弟がたどる運命は…
#ジャン=ピエール・ダルデンヌ#ジョエリー・ムブンドゥ#ダルデンヌ兄弟#トリとロキタ#パブロ・シルズ#リュック・ダルデンヌ#映画
第75回カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞受賞を受賞したシンプルかつ強靭な傑作
切り捨てられる労働者の苦悩を描いた『サンドラの週末』などで知られ、『ロゼッタ』『ある子供』で2度のパルムドールを受賞、世界中で90賞以上もの映画賞を受賞したベルギーの名匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作『トリとロキタ』。本作より、ポスタービジュアルと場面写真1点を紹介する。
・『その手に触れるまで』ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督
パルムドール大賞と主演女優賞をW受賞した『ロゼッタ』以降、全作品がカンヌのコンペに出品され、世界中で90賞以上を獲得した監督ダルデンヌ兄弟。彼らの最新作となる本作では、彼らの代名詞とも言えるBGMなし、演技未経験の主演俳優、削ぎ落された作劇に加え、先の読めないサスペンスを極め、第75回カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を見事受賞している。
地中海を渡りヨーロッパへやってきた人々が大勢ベルギーに暮らしている。トリとロキタも同様にベルギー・リエージュへやってきた。トリはまだ子どもだがしっかり者。10代後半のロキタはビザがないため、正規の職に就くことができず、祖国にいる家族のためにドラッグの運び屋をして金を稼ぐ。
偽りの姉弟としてこの街で生きるふたりは、どんなときも一緒だ。年上のロキタは社会からトリを守り、トリはときに不安定になるロキタを支える。偽造ビザを手に入れるために、ロキタはさらに危険な闇組織の仕事を始める。他に頼るもののないふたりの温かな絆と、それを断ち切らんとするばかりの冷たい世界。彼らを追い詰めるのは麻薬や闇組織なのか、それとも…。
ポスタービジュアルは「離れたくない、ただそれだけ」というコピーを挟み、少年トリと少女ロキタが互いに見つめ合い、腕を引き寄せ合う姿が写し出されている。ふたりの絆の深さをうかがわせるビジュアルだ。
また、場面写真は、何かを考え込むような眼差しで遠くを見つめるロキタと、そのロキタを力強く見つめるトリの表情を捉えている。トリを演じたパブロ・シルズ、ロキタを演じたジョエリー・ムブンドゥともに本作が演技初経験ながら素晴らしい演技を見せる。シルズは第39回エルサレム映画祭国際映画部門審査員特別賞を受賞、ムブンドゥは新進気鋭の俳優が選ばれる本年度のヨーロピアンシューティングスターに最年少で選出された。
『トリとロキタ』は2023年3月31日より全国順次公開。
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