コロナ禍から復調、22年の米映画界を支えたのはアメコミ映画とこの作品だ!

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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ビジュアル
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22年の年間興行収入は69億7100万ドル

興行トレンド】アメリカ映画界の22年の年間興行収入は69億7100万ドル(12月18日時点、Boxofficemojo.com調べ)。コロナ禍の20年が21億1400万ドル、21年が44億8300万ドルだったので、復調傾向にある。

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22年のアメリカ映画界を支えたのがアメコミ映画と『トップガン』だ。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が21年12月15日から公開され、22年に入ってからも興収を伸ばし続け、最終的には8億1400万ドルをあげ歴代3位の大ヒットを記録した。その後、3月公開『THE BATMAN―ザ・バットマンー』が3億6900万ドル、5月公開『ドクター・ストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス』が4億1100万ドル、7月公開『ソー:ラブ&サンダー』が3億4300万ドル、10月公開『ブラックアダム』が1億6800ドル(12月18日時点)、11月公開『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』が4億1900万ドル(12月18日時点)。年間興行収入トップ10中、アメコミ映画が5本を占めた。

一方、『トップガン マーヴェリック』は7億1900万ドルをあげ、歴代5位の大ヒットを記録した。20年7月の公開予定で、新型コロナの感染拡大で劇場公開できなくなり、映画会社パラマウントは配信を模索する。だがトム・クルーズが反対し、コロナ禍の影響がなくなる22年まで公開を延期した。映画館での上映にこだわったトムの姿勢を評価して、米製作者組合(PGA)はトムに特別功労賞にあたるデビッド・O・セルズニック賞を授与すると発表した(授与は23年2月)。

22年の年間興行収入は69億7100万ドルで復調傾向にあるものの、15年~19年は110億ドル台で推移していたので、完全復活までは道半ばだ。23年のアメリカ映画界はどうなるのか。22年と同じくアメコミ映画が柱の1つになりそう。マーベル映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』『ザ・マーベルズ』、DC映画『ジャザム!神々の怒り』『ザ・フラッシュ』『アクアマン&ザ・ロストキングダム』、スパイダーマンの悪役を主人公にした『クレイブン・ザ・ハンター』、スパイダーマンのアニメ映画化続編『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が公開される。

他のアクション映画では『ワイルド・スピード』新作、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』が控える。特に『ミッション~』は『トップガン』を大ヒットさせた勢いのあるトムの新作。前作『~フォールアウト』(2億2020万ドル)の興収を大きく超えるはずだ。

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22年、ウォルト・ディズニーはマーベル映画が好調な半面、ファミリー映画は興収が伸び悩んだ。ピクサーアニメ『バズ・ライトイヤー』は1億1830万ドル、ディズニーアニメ『ストレンジ・ワールド』は3160万ドル(ピクサーアニメ『私ときどきレッサーパンダ』は劇場公開せずにディズニープラスで配信)。23年はヒットが期待できるファミリー映画が粒ぞろい。名作ミュージカルアニメの実写映画化『リトル・マーメイド』、ピクサー新作『マイ・エレメント』、ディズニーランドの人気アトラクションをモチーフにした『ホーンテッドマンション』、ディズニー100周年記念ミュージカルアニメ『ウィッシュ』。これらのファミリー映画がヒットすれば興行全体の底上げにつながるだろう。(文:相良智弘/フリーライター)