(…前編より続く)
△【7位予想】『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』
日本でもファンが多いイギリスBBC放送ドラマ『SHERLOCK シャーロック』の特別編として、イギリスとアメリカでテレビ放送された作品を劇場公開。主演は英国俳優ベネディクト・カンバーバッチ。
カンバーバッチは日本でも人気が高い。ジョニー・デップと共演した映画『ブラック・スキャンダル』(16年/ワーナー)は全国265スクリーンで公開され初週土日動員8万6000人、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』(15年/ギャガ)は全国61スクリーンでの公開ながら、初週土日動員4万2000人を集めた。
本作は約100館での上映。劇場でしか見られない特典映像や、数量限定の来場者プレゼントなど動員の動機になる仕掛けがあり、5〜7万人の動員も十分見込める。
△【10位予想】『同級生』
中村明日美子の人気ボーイズラブコミックをアニメーション映画化。男子高校生の純愛を描く。主人公佐条役を野島健児、草壁役を神谷浩史が務める。
上映館数は約30館と小規模での公開。ジャンルもボーイズラブということで基本的に大きな動員数が見込める作品ではないのかもしれないが、原作は人気が高く、来場者特典として先着で中村明日美子描き下ろし16ページ小冊子「デートの間に」がプレゼントされるなど、劇場へ足を運びたくなる要素は強い。公開初日には人気声優たちが登壇する初日舞台挨拶も実施予定。スクリーンアベレージは高い数字を出すだろう。
【注目シネマ】
*『クーパー家の晩餐会』
『I am Sam アイ・アム・サム』のジェシー・ネルソン監督がメガホンをとった家族の物語。秘密を抱えた4世代の家族たちが一堂に会したクリスマスパーティーでの騒動を描く。
上映館数は約15館。『I am Sam アイ・アム・サム』は興収30億を超えるヒット作となった。本作もダイアン・キートンやジョン・グッドマン、アラン・アーキン、アマンダ・セイフライドなど豪華キャストが、人間の浅はかさやおかしさを好演。ジワジワと口コミで広がっていくタイプの映画だ。
*『NINJA THE MONSTER』
ただいま大ブレイク中のディーン・フジオカ主演の忍者アクション映画。松竹が若手映画製作者育成のために立ち上げたブルーラインレーベル。ディーンのほか、森川葵、和田聰宏らが出演している。
上映館数は10館程度。海外マーケットを視野に入れたレーベルということで、おおざっぱに言えば逆輸入作品という位置づけ。1週間限定上映、主演は現在“時の人”となっているディーンと話題性は十分なだけに数字も期待がもたれる。(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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