LGBTも差別? 白人への逆差別発言も/アカデミー賞偏向騒動
●アカデミー賞、2年連続で俳優部門の候補全員が白人/後編
(…前編より続く)
オスカー・ノミネーション発表直後から、ウィル・スミス夫人のジェイダ・ピンケット・スミスやスパイク・リー監督は授賞式のボイコットを表明したが、多様性に欠ける傾向は人種問題にとどまらず、同性愛者であることを公表しているイアン・マッケランは「黒人だけではなく、女性や同性愛者も軽視されてきた」と発言。異性愛者のトム・ハンクスやフィリップ・シーモア・ホフマン、ショーン・ペンが同性愛者を演じてオスカー主演男優賞を受賞してきた例を挙げ、「ゲイを公表している男優がオスカーを受賞したことはない。これは偏見なのか、それとも偶然なのか、疑問に思う。それならストレートな男性を演じた私にもくれないか?」と、過去2度候補になりながら受賞を逃した事実にふれた。
一方、『さざなみ』で主演女優賞候補になったシャーロット・ランプリングはフランスでラジオ出演した際に、ボイコット騒動について「白人に対する逆差別」とコメントして騒動に。オスカー俳優のマイケル・ケインは「黒人だから、という理由で投票するべきはできない」と候補者を人種ではなく純粋に実力だけで評価するべきだと発言、監督として2度オスカーを受賞しているクリント・イーストウッドは「私に言えるのは、何千人もいるアカデミー会員の大半は受賞経験がないということだけだ。泣いている人は大勢いると思うよ」と「TMZ.com」の直撃取材に答えている。
日に日に大きくなる論争に、ついにオバマ米大統領も「オスカーをめぐる論争は、全ての人がフェアに扱われていると言えるかという、より大きな問題を表すものだ」と見解を示した。
苦しい立場に追い込まれたのは、ノミネートされた俳優たちだ。彼らの多くが多様性の欠如については認めつつも、自身が参加した作品を代表する立場として授賞式へは出席する。受賞者はどんなスピーチをするだろうか? 今年の候補者たちは事前に、感謝したい人たちをリストアップして提出、テレビ中継時は画面上に名前が表示される予定だという。彼らが自分の言葉で何を語るか、そこも注目ポイントだ。
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