1月8日は遺影撮影の日。生前に遺影を撮影し、後世に残すことの大切さを多くの人に知ってもらい、遺影撮影を世の中に根付かせることが目的の記念日だ。日付は「い(1)えいと(8)る日」(遺影撮る日)と読む語呂合わせから決められた。
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遺影写真とは、親族や葬儀に参列した方が故人を偲ぶために祭壇に飾る写真のこと。意外なことに、遺影の文化は日本独自のものなのだという。そこで今回は、遺影撮影を題材にした邦画を紹介したい。
元乃木坂46・深川麻衣が遺影撮影のカメラマンを演じる『おもいで写眞』
東京で夢に破れ、祖母の死をきっかけに故郷の富山に戻ってきた結子。祖母の葬式の遺影写真がピンボケだったことを心残りに思っていたところ、役場に務める幼馴染・一郎から「お年寄りの遺影写真を撮る仕事をしてみないか」と声をかけられる。
主人公の結子を元乃木坂46の深川麻衣、幼馴染の一郎を高良健吾が務める本作。縁起が悪いとお年寄りに断られ続けた遺影撮影を、“あなたの思い出の場所で写真を撮る”「おもいで写真」という企画に変えたのはナイスアイディアだ。実際にあったら利用したいと思えるようなサービスである。
おかげで一人、また一人と口コミで評判が広がった「おもいで写真」。多くは語られなくとも、“思い出の場所”と“お年寄り”の存在だけでストーリーが見えてくるし、写真に写るお年寄りの笑顔にはそれだけでぐっとくるものがある。
人当たりの決して良くない主人公が、お年寄りたちと懸命に関わっていく様子も応援したくはなるのだが、一つだけ腑に落ちない部分があるとするならば、幼馴染みである一郎への当たりがなかなかキツいという点…。どうして当たりがキツいのか、その理由も後々明かされるのだが、高良演じる一郎がいい人である分「それにしても!」とつい言いたくなってしまう(しかもその理由も“勘違い”であったことが後々発覚する)。そんなわけで笑顔より圧倒的に不機嫌顔が多い結子だが、深川は不機嫌な顔でもキュートなのが救い(?)だ。
本作で、おもいで写真のお客さんの一人を演じているのは古谷一行。古谷は昨年8月に死去。本作が最後の出演作となった。その他、吉行和子も結子と深く関わる老婦人を演じ、作品に深みを与えている。名優たちの演技にもぜひ注目して見てほしい。(Y)
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