『アバター』はアニメ2強に首位獲得を阻まれる
【興収レポート】1月7日(土)~9日(月)の3連休が明け、23年の正月映画興行はひと段落。興行ランキングをまとめた。
1位は『THE FIRST SLAM DUNK』。12月3日から公開され、週末興行ランキングでは6週連続1位。1月9日時点の興収は76.9億円にのぼる。公開まであらすじを一切明かさない戦略でファンの期待感を高めた。原作者の井上雄彦が監督・脚本を手がけた内容は観客の満足度が高く、口コミが広がってロングランヒットとなっている。公開後38日間で興収76.9億円。22年の大ヒットアニメ『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』は公開後38日間で79.9億円。ほぼ同じペースで興収を伸ばしている。
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2位は『すずめの戸締まり』。12月3日~1月9日にあげた興収は52.8億円。正月映画興行期間にあげた興収では『スラダン』に次ぐ2位となる。1月9日時点、公開後60日間で121.3億円。前作『天気の子』は公開後59日間で126億円。ほぼ同じペースで興収を伸ばしている。
3位は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』。13年ぶりの続編は歴代最多となる1466スクリーンで12月16日から公開され、週末興行ランキングで初登場3位。アメリカをはじめ世界各国で初登場1位を記録する中、日本ではアニメ2強に首位獲得を阻まれた。公開後25日間で興収31.5億円。22年の洋画ヒット作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(最終興収41億円)が公開後24日間で興収34億円、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(最終興収46億円)も同じく興収34億円。このペースで興収を伸ばせば、最終的に40億円程度が予測される。1作目の156億円の約4分の1にとどまりそう。
『アバター〜』は日本での興行不振が目立つ。アメリカ国外の主な国と比較すると(Boxofficemojo.com調べ、1月8日時点)、中国が1億8830万ドル、フランスが1億890万ドル、ドイツが9300万ドル、韓国が8550万ドル、イギリスが6920万ドル、インドが5480万ドルなのに対し、日本は2280万ドル。22年の洋画最大のヒット作『トップガン マーヴェリック』は日本で9990万ドルをあげ、イギリスの1億290万ドルに次ぐ2位の好成績だったのとは対照的だ。
4位は『Dr.コトー診療所』(18.7億円)。同名漫画を原作に、2003年と2006年に連続ドラマとして放送された名作テレビドラマの16年ぶりの続編となる劇場版。
5位は『ラーゲリより愛を込めて』(17.4億円)。二宮和也がシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された実在の日本人捕虜・山本幡男を演じた伝記ドラマ。(文:相良智弘/フリーライター)
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